ぷち突発!!
□お題から始まる小話「今宵は……」
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◆今回のお題は下の落書きです。
【タイトル:「今宵は……」】
![](http://id52.fm-p.jp/data/481/usagimaru384/pub/9.jpg)
◆よしき◆
バスルームのドアが開く音に、綱吉は顔を上げた。
ベッドに腹ばい状態でいる彼に、タオルで髪を拭きながら恭弥が近づいてくる。
「なに、仕事?」
今の今まで綱吉が睨んでいた書類に、恭弥はちらりと目を向けた。
一方の綱吉は、恭弥を見上げながら別なことを考えていた。
それに気づいた恭弥が、眉を寄せる。
「なに見てるの」
「あー」
「なに?」
「いやあ、恭弥さんって、絶対ズボンは穿くんだなあと思って」
「は?」
「上は裸でも気にしないですよね」
思っても見ない言葉に、恭弥も一瞬虚を突かれたように黙った。
「下着、見せたくないとか?そういえば、恭弥さんってどんな下着つけてるんですか?
トランクス?ブリーフ?・・・まさか、褌とかじゃ」
不意にベッドが沈んで、綱吉は口を閉じた。
「そんなに気になるの?」
その声音に、綱吉は我に返った。本能的な恐怖に、顔が蒼褪めていく。
「きょ、恭弥さん?」
「ねえ、本当に下着を着けていると思う?」
「は、えっ?」
ベッドに腰を下ろした恭弥が、じわじわと顔を近づけてくる。
「あの・・・・」
「まさか、きみがそんな誘い文句を考えつくとはね・・・驚いたよ」
「誘ってません!」
「まあまあ」
逃げ場がなくなった綱吉は、手にしていた書類を恭弥の前に突き出した。
「あんまりだと、ボーナス出ませんよ!」
ぴたりと動きを止めて、恭弥が書類を見る。
「査定してたの?」
「そうです、ちょうど恭弥さんの番でした」
ボスをからかうなんて、これは査定を考え直さないとなー、としゃべり続ける綱吉から、恭弥は書類を取り上げた。
「ちょっ・・・何するんですか」
「ぼくが片付けてあげるよ。きみは、ぼくのだけやっておいて」
「そんなことしたら、リボーンに殺されますよ!」
「わざわざぼくのベッドで、仕事をしているきみが悪いんだよ」
綱吉の抗議は、何の効果もない。それどころか、恭弥は綱吉に覆いかぶさるように迫ってくる。
「だ、ダメですってば、これ片付けないと・・・」
本当にまずいんです、という言葉は言えなかった。
1時間後、綱吉は回らぬ舌で恭弥に悪態をついていた。
「寝に来ただけなのに・・・」
傍らで、恭弥は書類を眺めている。
「やっぱり、下着見れなかったし・・・・・」
「・・・・・どんなフェチだい・・・」
呆れたように恭弥が呟いても、応えはない。見れば、綱吉は眠りに落ちていた。
「まあ、仕方がないね」
肩をすくめて、恭弥は綱吉の残した仕事に取り掛かるのだった。
翌朝、綱吉はリボーンに怒鳴り込まれた。
彼の手には、昨夜やり残したはずの、書類が握られている。
「情に流されて査定をするとは、いい度胸じゃねーか」
「へ?」
「いいか、雲雀のボーナスは、テメーで払えよ!」
「え、なに?」
答えもせず、リボーンは書類を綱吉の机にたたきつけ、足音荒く出て行った。
呆然としていた綱吉は、ゆっくりと書類の束を取り上げる。
査定は済んでいた。どれも、妥当な判断で点がつけられている。
だが。
「・・・・もー・・・幾ら欲しいんですか・・・・・」
恭弥の書類を見て、綱吉はがっくりと肩を落とした。
そこには、トリプルAの評価があったのである。
End
★よしきコメント★
・・・・・さて、なんでしょう?
けっきょくしたらしいし・・・あれ?