ぷち突発!!

□お題から始まる小話「今宵は……」
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◆今回のお題は下の落書きです。

【タイトル:「今宵は……」】
           

           
◆よしき◆
           
           
           
 バスルームのドアが開く音に、綱吉は顔を上げた。
 ベッドに腹ばい状態でいる彼に、タオルで髪を拭きながら恭弥が近づいてくる。
           
「なに、仕事?」
           
 今の今まで綱吉が睨んでいた書類に、恭弥はちらりと目を向けた。
 一方の綱吉は、恭弥を見上げながら別なことを考えていた。
           
 それに気づいた恭弥が、眉を寄せる。
           
「なに見てるの」
           
「あー」
           
「なに?」
           
「いやあ、恭弥さんって、絶対ズボンは穿くんだなあと思って」
           
「は?」
           
「上は裸でも気にしないですよね」
           
 思っても見ない言葉に、恭弥も一瞬虚を突かれたように黙った。
           
「下着、見せたくないとか?そういえば、恭弥さんってどんな下着つけてるんですか?
トランクス?ブリーフ?・・・まさか、褌とかじゃ」
           
 不意にベッドが沈んで、綱吉は口を閉じた。
           
「そんなに気になるの?」
           
 その声音に、綱吉は我に返った。本能的な恐怖に、顔が蒼褪めていく。
           
「きょ、恭弥さん?」
           
「ねえ、本当に下着を着けていると思う?」
           
「は、えっ?」
           
 ベッドに腰を下ろした恭弥が、じわじわと顔を近づけてくる。
           
「あの・・・・」
           
「まさか、きみがそんな誘い文句を考えつくとはね・・・驚いたよ」
           
「誘ってません!」
           
「まあまあ」
           
 逃げ場がなくなった綱吉は、手にしていた書類を恭弥の前に突き出した。
           
「あんまりだと、ボーナス出ませんよ!」
           
 ぴたりと動きを止めて、恭弥が書類を見る。
           
「査定してたの?」
           
「そうです、ちょうど恭弥さんの番でした」
           
 ボスをからかうなんて、これは査定を考え直さないとなー、としゃべり続ける綱吉から、恭弥は書類を取り上げた。
           
「ちょっ・・・何するんですか」
           
「ぼくが片付けてあげるよ。きみは、ぼくのだけやっておいて」
           
「そんなことしたら、リボーンに殺されますよ!」
           
「わざわざぼくのベッドで、仕事をしているきみが悪いんだよ」
           
 綱吉の抗議は、何の効果もない。それどころか、恭弥は綱吉に覆いかぶさるように迫ってくる。
           
「だ、ダメですってば、これ片付けないと・・・」
           
 本当にまずいんです、という言葉は言えなかった。
           
           
           
 1時間後、綱吉は回らぬ舌で恭弥に悪態をついていた。
           
「寝に来ただけなのに・・・」
           
 傍らで、恭弥は書類を眺めている。
           
「やっぱり、下着見れなかったし・・・・・」
           
「・・・・・どんなフェチだい・・・」
           
 呆れたように恭弥が呟いても、応えはない。見れば、綱吉は眠りに落ちていた。
           
「まあ、仕方がないね」
           
 肩をすくめて、恭弥は綱吉の残した仕事に取り掛かるのだった。
           
           
           
           
 翌朝、綱吉はリボーンに怒鳴り込まれた。
 彼の手には、昨夜やり残したはずの、書類が握られている。
           
「情に流されて査定をするとは、いい度胸じゃねーか」
           
「へ?」
           
「いいか、雲雀のボーナスは、テメーで払えよ!」
           
「え、なに?」
           
 答えもせず、リボーンは書類を綱吉の机にたたきつけ、足音荒く出て行った。
 呆然としていた綱吉は、ゆっくりと書類の束を取り上げる。
           
 査定は済んでいた。どれも、妥当な判断で点がつけられている。
           
だが。
           
「・・・・もー・・・幾ら欲しいんですか・・・・・」
           
 恭弥の書類を見て、綱吉はがっくりと肩を落とした。
 そこには、トリプルAの評価があったのである。
           
           
End
           
           
★よしきコメント★
           
・・・・・さて、なんでしょう?
           
 けっきょくしたらしいし・・・あれ?
           
           
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