日常生活

□はじめまして!
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※小学生時代の一二三と独歩の妄想。独歩ママいます。






「ただいまぁ。」
「おかえり〜独歩…あら?」
「こんにちはー!」

独歩が小学校へ入学して一か月が経った頃。学校から帰ってきたのを玄関まで出迎えに行った母親が目にしたのは、自身の息子と元気な男の子だった。

「どっぽとなかよくなりましたっ、いざなみひふみでっす!」
「ひ、ひふみくんこえおっきい…。」
「えー!? だってせんせーがあいさつはげんきよくっていってたもん。」

おどおどする独歩に、まるで光が射すような明るい笑顔をしている男の子・一二三に、独歩の母親は顔を綻ばせた。

「こんにちは。独歩のお友達になってくれて有難うね。」
「はいっ! もうすぐでシンユーになります!」
「まぁ〜本当? ありがと〜! さぁどうぞ上がってちょうだい。」

わーいっ、と我が家のように声を上げて靴を脱ぎ始める一二三。独歩も慌ててランドセルを母親に渡して靴を脱ぐ。

「ぉ、お母さん、ひふみがね、ゲームしたいって言ってるの。…イイ?」
「あら何言ってるの。お友達が来たんだもの、遊んでいいわよ。」

その言葉に独歩はやっと不安そうな表情からぱあっと顔を明るくした。

「よ、よかった! あ、ひふみおてあらいこっちだよ。」
「うん!」
「今お菓子とジュース用意するからね〜。」
「は〜い!」

二人が手を洗ってうがいをし、テレビゲームで楽しく遊ぶ姿を独歩の母親は優しく見つめていた。そうして日が暮れかけてきた頃に、一二三は帰り支度を始めた。

「きょーはありがとーござぃましたっ! またきます!」
「えぇ。また来てね!」
「じゃあ、またあしたね。」
「うんっ、どっぽバイバ〜イ! おばさんもバイバイ!」

玄関前まで出て一二三を見送ると、一二三は最初にした時と同じように元気いっぱいに挨拶をして帰っていった。その姿が見えなくなるまで独歩は見送っていた。

「ねぇ独歩。」
「え、なぁに。」
「楽しいお友達が出来て良かったわね。」

その言葉に独歩は口をもごもごさせる。その仕草は言いたい事がある合図だと分かっているので、耳を澄ました。

「ともだち、じゃなくて、し、し、しんゆうになってくれるって。」

恥ずかしがりながらも不器用に笑いながら話してくれる様子に堪らなくなり抱擁するのだった…。



end.
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