日常生活

□ミラクルドリンク
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「……これは、」
「どういう状況だ…?」

残りのメンバーが部室に戻ってくると、そこには幼い子供達が4人いた。しかも、4人共に顔立ちが自分達の仲間とよく似ている。誰もがこの状況を理解出来ないでいると、1〜2才くらいの子供のうち1人が宍戸の元へ駆け寄っていった。

「ちちどたっ、ちちどたっ!」
「……お前、まさか…」
「鳳…?」
「あいっ!」

ダボっとしたシャツを引きずりながら舌足らずに説明しようとする幼い鳳を滝は興味津々に眺めると、ひょいと抱き上げて目線を合わせた。

「ビックリだね〜。あの大きい鳳がこんなに小さくなるなんて。」
「おい鳳、何があった。」
「えと、なんか、へんなじゅーちゅのんだら…」
「アーン?」
「(じゅーちゅ…)ジュースか?」

宍戸の言葉に鳳はコクコクと頷く。そこで忍足は丸まって寝ている子供の近くに小ビンが落ちているのに気付いた。

「もしかして、コレか?」
「ぁ、あい!」
「誰がこんなの用意したんだろう?」
「おい、見せろ。」

跡部は受け取ると、空になっているそれを凝視する。

「…おい、ココ。底に白金って書いてあるぞ。樺地、調べられるか?」
「ウス。」
「メーカー名かも。ねー鳳ぃ、他に何か知らないの? ねーぇ。」
「ふぃ、ふみゅむぁむぇ…」
「おいそんな事したら答えられねぇだろ…。」

滝は鳳の両頬をつまんで遊び始めた。宍戸は止めようとするも、普段見ない相棒の姿にうずうずしている。

「宍戸もやる? ふわふわでぷにぷにだよ。」
「えっ…いや…。」
「ちちどたん?」
「ぐ…っ!」
「はぁい、抱っこ〜!」
「ぅおっ危ねぇ!」
「はわっ。」
「ふふっ、どう?」
「……ぅん。」

その光景に一瞬和やかになったが、すぐに我に返った跡部の指示で、一行は跡部邸へ向かった。
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