日常生活

□ミラクルドリンク
1ページ/3ページ

とある日の氷帝学園中等部。委員会活動があった為、部活動は自主的な物となっていた。その為、テニス部の方はほぼレギュラーメンバーしかいなかった。
そして真っ先に顔を出したのは珍しいメンバーだった。

「やった〜、一番だC!」
「だーくそくそっ、先越されたぜ!」
「いつもそれくらい動いてくれると良いんですけどね…。」
「ま、まぁまぁ…。」
「ん〜、これな〜に〜?」

ふとテーブルの上に目をやると、そこには半透明の小ビンが置いてあった。
中には、淡い桃色の液体が入っている。

「なんだ、それ。ジュースかなんかか?」
「これは、ビンの大きさから見て香水じゃないですかね?」
「興味ないな。」
「ん〜〜、気になるC!」

瞳をキラキラさせてビンのフタをきゅぽんっ、と開ける芥川。何度か匂いを嗅いでいると、一滴手の平に落として舐めてみる。
その様子に周りは呆れてしまう。

「おいおい、飲みモンかも分からねぇのに舐めるなよジロー!」
「そうですよ! 大丈夫ですか?!」
「うん、大丈夫〜。これジュースだよ〜、甘くておいC♪」
「やれやれ…。」

そう言って片手で小ビンを持った芥川は三人の元へ歩み寄るとそれぞれの手を掴もうとする。

「せっかくだから、三人も飲んでみなよ〜。」
「い、いえ、誰の物かも分からないのに勝手に飲むのは…!」
「おいジロー、よせって!」
「俺まで巻き込まないで下さいよ…!」

イタズラっ子と化した芥川は制止の声も聞かず、どたばたと部室で騒ぎ出した…。
次へ
前の章へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ