短く眠り代わる
□クロガネ
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朝から変な感じはしていた。けど、ただの気のせいだろうと決め付けていたのが駄目だった。
(駄目だ。頭ガンガンする。もう、立ってるのが少しキツい。でも、部活行かないと...あ、行っても皆に風邪を移しちゃうかも。あー本当にどうしよう、困った)
ポツ。冷たいモノが頬に当たる。だんだんと当たるそれは多く、強くなる。
(雨まで降ってきた、か...傘持ってきてないよ。帰るかな、このままだと部活終わる頃にはもっと強くなってるだろうし。取りあえず顔出して体調悪いの伝えて、かえ、ろ...ぅ)
***
それは偶然だった。HRが長引き教室を出るのが少し遅くなり、零の背中を道場近くで見かけたのは。
(ふらふらしてる?)
いつもの零と足取りがかなり違う。
(どうしたんだ?そういえば...朝練のとき顔が少し赤かった?ということは熱がある?)
疑問が浮かび、声をかけようとしたときだった
黒銀の背中が横へ流れていった。
「零!!」
***
珍しく黒銀と葉桜が来ないな、何かあったのか?
「直ー。黒銀と葉桜を知らないか?」
「あ?黒銀と葉桜?見てないぜ。ほっとけ、後から来るだろ」
「そうか?」
バンッ!
「葉桜と黒銀、欠席する!!」
葉桜と...黒銀?何で背負われてるんだ?
「なんだ?」
「さあ?取りあえず葉桜と黒銀は欠席だな」
直でも分からないらしい。
そして葉桜は黒銀を背負ったまま、道場から走りさっていった。