翔くん

□。
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翔ちゃん…!
離してもらおうと1人の幹部の人の腕を解こうとした時ー…

ガッ…!
「…っ」
「茜!」

幹部の人に振り払われ、バランスを崩した
目の前のテーブルにぶつかると思い目を瞑った…が、誰かに優しく抱きとめられました


「…ウチの姫さんになにしてくれてんの?」
「…潤くん…?」

目を開けると居るはずのない潤くんで…
後ろには智くん、相葉ちゃん、ニノも…


「なんで…?」
「茜と翔くんが呼び出されたって教えてくれたの。来てよかった」
「智くん…」
「…翔くんを離してください」
「「…っ」」


私に向かって微笑んだ後、翔ちゃんを見て幹部の人を睨んだ智くん…
相葉ちゃんもニノも潤くんも無表情で幹部を見てる…
幹部は一瞬怯んでその隙に翔ちゃんが私の方に来た

「茜、大丈夫か?」
「うん…」
「松潤サンキュー」
「当然でしょ?」
「…お前達を呼んだ覚えはないが?」
「っ!」

前川さんの声に反応した私を5人が隠すように前に立った…

「2人が呼び出されたって教えてもらったからね」
「週刊誌の件だと思ったから関係してる俺達も来たって訳」
「お前ら…」


皆の優しさに涙が出そうになる…


「茜と俺らは付き合ってないし、共演の俳優さんもさっき否定コメント出してたよ」
「ついでに、翔ちゃんとジュエリーショップ行ったのは俺」
「ふざけるな…!櫻井と行ったのは女だぞ!?」
「女装してたもん。女に見えなかったら意味無いし」
「なっ…!」
「俺もその日一緒の撮影だったから知ってるよ。それでも信用ないなら、メイクさんにでも聞いて」
「…っ」
「…ジュエリーショップに何故行った?」
「この指輪買いに」
「「!?」」
「……」

迷いもなく翔ちゃんは私と自分の手にある指輪を見せた
幹部達がザワつく…
前川さんは眉を潜めた…


「何を勝手に…!」
「勝手に話を進めてるつもりはないです。社長には先に話して結婚の許可は得てます」
「私達は聞いてないが?」


前川さんが私を睨む…


「社長に話した上、茜にきちんと話してから報告しようと考えてましたから。今日報告しにくるつもりでいました」
「どれだけのリスクがあると思ってる!せっかく積み上げて来たものが全て無駄になるんだぞ!?」


前川さんが今日初めて怒りの感情を表す…


「リスクも何もかも承知の上です」
「櫻井…!なぜ存在価値のないモノを…足枷にしかならない渡辺を選ぶ!?お前にはもっとふさわしい人間がいるだろう!?」
「…!」


私を睨みながら言う前川さん…
邪魔だと言われてる気がする…


バンッ!!!
「「!?」」
翔ちゃんがテーブルをおもいっきり叩く…
会議室は静寂に包まれた…


「今の言葉取り消せよ」
「「…!」」
「存在価値のない…?それはアンタだろ。人間として言っていい言葉とダメな言葉の区別も分からないのかよ!」
「櫻井!取締役になんて言葉を…!」
「アンタらもだよ!茜がどれだけ努力してるのか知らないで好き勝手言って目の敵にして!茜が今までどんな気持ちでこの仕事続けてきたのかアンタら全員知ってんのかよ!!!」
「「……」」


翔ちゃんの言葉に前川さんをはじめ、幹部達が黙った…


「ジャニーズ唯一の女だからって周りに嫉妬されて苛められても、絶対笑顔を忘れなかった」
「ファンに認められたくて人一倍頑張ってるから、ファンは茜を認めた」
「女だから俺達の体力についていけないなんて言われるのが嫌だからコンサート前は俺達の倍練習してるし体力づくりしてる」
「茜はずっと俺達を支えてくれてる。だから今の俺達があるんだ」
「茜は足枷なんかじゃない。俺達の大事な仲間だ」
「「6人で嵐なんだ」」
「…っ(泣)」

ニノ、潤くん、相葉ちゃん、翔ちゃん、智くん…5人の気持ちが本当に嬉しくて…我慢してた涙が溢れた
こんなに想われて私は幸せだよ…


「…どう言われようと結婚を認める訳にはいかん」
「社長は認めてくれました。なんと言われようと、俺は茜と結婚します」
「渡辺にも櫻井にも縁談が来てる」
「「!?」」


私達に縁談…?
でも私…


「「翔ちゃん/茜としか結婚しません」」
「「!!」」

お互い見合って笑った
翔ちゃんも同じこと思ってたんだね


「…どうしても結婚したいというのなら、事務所を辞めて結婚するんだな」
「…っ!」
「2人の縁談は決定事項だ。この縁談を断れば事務所に大きな損害が出る。嵐を取るか、結婚を取るか…」
「「……」」
「お前達はどちらを選ぶ?」


翔ちゃんの手を握る…
翔ちゃんも握り返してきた
私達は……嵐を捨てることはできないよ…
答えられない私達を見てニヤリと笑う前川さん…


「「2人の結婚を取るね」」
「「!!!」」
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