それは、必然
□Act.8
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「優衣、明日行くとこあるから付いて来て」
昨夜夜天にそう言われ、やってきました、例のペットショップ
(昨日喧嘩っぽいことなったのに…夜天にしては珍しく気にしてないのかな?それよりも…)
優衣の視線の先には泡だらけにされているルナ
(こんな雑なやり方でよくこの人儲かってるな…)
そして出来上がったルナ
ふりふりの服を着せられていた
「どお?お似合いでしょ?」
「うん、いいかも」
『可愛いけど…窮屈そう…』
「はいどーぞ、お待たせいたしました」
ルナを受け取ったとき入り口に女性が立っていた
(あれは確か・・・岡町典子?)
「夜天く〜ん夜天君も此処使ってるんだ〜」
(うわっ喋りウザッ!!)
「何か用?」
「ウフフ、やーだ夜天君の猫のドレス可愛い!中身は全然負けてたりして〜」
その言葉にムカついた様子のルナ
『でもそっちの猫頭悪そうだね』
「なっ!失礼ね!なんなの貴女」
『え〜なんなのって…ただの一般人』
「…貴女もしかして夜天君のこと好きなの?だったらやめといた方がいいわよ〜夜天君、この間はゴメンね〜誘ったりして〜典子知らなかったの、夜天君ホモなんでしょ」
『え、ホモっていうか・・・レズなんじゃ…』
「優衣?何か言った?」
『いや〜?別に〜?』
あのプリコンっぷりを知ってたらそうとしか思えない…
そんなことを考えてたらルナが岡町典子の手を引っかいてそれに腹を立てた岡町典子が手を上げたらいきなり照明が光った
「ドラマ“東君の恋人はハンサムな彼女”で共演中の夜天君の典子ちゃん、実はお2人はプライベートでも親密な仲だったのです」
(げ、アイアンマウス!)
「な、なんなのアンタ!」
「私、こういう者です」
そう言って名刺を差し出すアイアンマウス
アイアンマウスに敵意剥き出しのジュリアーノは典子の手を引っかいて逃げていった
「ジュリアーノ!!」
「カメラ回ってますよ、そこんとこよろしく」
「あらやだ困ります〜」
(一瞬で顔作った!!流石芸能人…まあ、大気のアレよりましかな…)
「バッカらしい・・・行くよ」
『あ、うん』
夜天と帰るために駐車場へ向かい店を出た瞬間、叫び声が聞こえてきた
すぐさま声がした方へ行くルナ
「どうしたの?」
『行こう!』
声がしたところへ駆けつけるとそこにはスターシードを抜かれた岡町典子とアイアンマウス
「っ!アイツは…優衣、絶対あいつの視界に入らないで」
『う、うん…』
(さっき思いっきり目の前にいたけど…気づかれてないのかな?)
夜天は出て行こうとしたが急に
「や〜めた」
そう言ってしゃがみこみ
「ダメなんだよ、何をしてもだめなんだ、あの方が見つからない限り宇宙は…おしまいなんだ」
『夜天…』
そんな夜天の様子を気にしていたルナだが敵の方へと出て行ってしまった
「お、おい…」
『夜天、無理してまで戦えとは言わない、けど…少しでも戦う気持ちが残っていて…そして目の前に敵がいて、守りたい者がいる場合は…』
私はまっすぐ夜天を見つめ
『その時は全力で戦って、全力で守りなさい』
私はそう言ってアイアンマウスのほうへ出ると丁度アイアンマウスの攻撃がルナに当たったところで
私はルナを庇ってガラスを突き破り、その衝撃で気を失った
『ん…』
「っ優衣!!」
『や、てん…?』
「よかった、気がついて」
『ここ…わたし、のへや?』
「あの黒猫を庇ってガラスを突き破って気を失ったらしいですよ」
『たい、き…』
「全く…アイアンマウスの目の前に出て行くなんて…また何かされたらどうするつもりだったんですか?まあ、幸い、丁度セーラームーンがやってきたらしく何もされなかったようですが」
『そっか…ごめんね、心配かけて』
「いいんですよ、それじゃあ私は食事を持ってきますね」
そう言って大気は部屋を出て行き夜天がぎゅっと私の手を握った
『夜天…?どうしたの?』
「ごめん…僕が…僕がもっと早く敵の前に出てたら…そしたら優衣も、ルナも、怪我しなくてすんだのに…ほんとにごめん…」
その言葉に私は小さく微笑み夜天の頭を撫でた
『そんなに気にしないの、あの後ちゃんと戦ったんでしょ?だったらいいじゃない…ね?』
「…うん」
『…なんか前の時と似てるね』
「え?」
『アイアンマウスに前攻撃された時…あの時もこんな感じだった』
「…そうだね…優衣、これからは命に代えてでも優衣を守るよ」
『夜天…?』
「もうこれ以上優衣が傷つくのは見たくないから…だから僕、優衣こと命を掛けて守ってみせる」
『…ありがとう、でも、そう簡単に命を掛けるなんていわないで、私を守るために夜天が死ぬなんて絶対ダメ、だから私だけじゃなく、誰か他の人を守る時でも、その人を守って、そして夜天、自分自身のことも守りなさい』
「…僕のことも?」
『そう、それが“守る”ってことよ』
「…がんばる」
少し難しいというような表情だが夜天の言葉に満足した私はより一層微笑み、夜天の頭を再度撫でた