それは、必然
□Act.7
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美奈子ちゃんの読みどおりスタジオで見学できる事ができた私たちはスタジオと廊下を繋ぐ扉の前で見学していた
そして天野川先生に質問がある人と大気が言うと子供たちはいっせいに元気良く手を上げ、その中から青いトレーナーを着た男の子を当てた
「うちのおじいちゃんが言ってたんですけど人間は死んだら星になるって本当ですか?」
男の子がそう質問すると周りの子供たちは笑いだしたが
「うん…そうかもしれないね、伝説や神話にも死んだ人が星になるって話しがいっぱいあるから、祖先の魂が星になって皆を導いてくれてるのかもしれないよ、きっと」
天野川先生の答えに子供たちが納得し、それを聞いた私たちも納得した
「天野川先生いいこと言うわね、亜美ちゃん」
「うん」
しかしそこで大気が先生を呼んだ
「死んだ人間は星にはなれませんよ、生きている人間のパワーが星を作るんです」
そう言った大気の言葉に少し動揺している子供たち
「はぁ〜?」
「生きている人間のパワーが星を作るか…」
「大気さんってロマンチストね〜」
(確かにどっちの意見もいいものだと思うけど…)
なら、大気は…
「おまたせ」
「「大気さん!」」
「話しってなんですか、水野君」
「あの、明日の晩天野川先生の家で一緒に見ませんか?ワタル彗星」
「まだ、そんなことを言ってるんですか?もっと現実を見つめたほうがいいですよ?」
「現実?」
「君のいう夢やロマンも雨には勝てないでしょ?」
そこで亜美ちゃんが外を見るとそとは土砂降り
「天気予報だと明日の降水確率も100%らしいですよ、じゃ」
「きっと見られます!ワタル彗星だって夢やロマンから生まれた現実です!」
「フッ、君のいう夢やロマンでこの雨をとめることができるんですか?」
そう言うとエレベーターがやってきて大気は乗り込み
「晴れたら見に行きます」
『ちょっと、大気待ちなさい!』
そういって扉が閉まる直前に私はエレベーターに乗り込んだ
「あ、優衣ちゃん!」
『ごめん、さき帰ってて』
そして扉が閉まりエレベーター内は私と大気だけになった
「なんですか?優衣も何かあるんですか?」
『さっきの収録中の大気の言葉、間違ってるとは思わない』
「なら、」
『だけど、大気が探している人は夢やロマンを否定するような人?』
「っ!」
『それに3人の“あの人を探し出す”っていうのは“夢”じゃないの?』
私のその言葉に先ほどより驚き少し困惑した様子の大気
『探し出して星を再興させる・・・それって夢って言うんじゃないの?』
「っ貴女に何が解かるって言うんですか!!それに!それは夢で無く使命です!!」
『大気…』
「…私はこの後も仕事です、邪魔になるのでさっさと帰ってください」
そういって丁度エレベーターが目的の階につき、大気は下りていった
『・・・』
大丈夫、
きっと亜美ちゃんの言葉でわかってくれる
私がそう願っているとケータイが鳴った
着信相手は将之
『もしもし』
{おう、藤岡、お前今どこにいんだよ、飯の用意もしてねえみてえだし}
『あ、忘れてた』
{忘れてたって…お前ぇなあ…}
『へへ、ごめんごめん、美奈子ちゃんに誘われて大気と天野川先生の番組収録の見学に行ってて』
{ったく…今日はカップ麺とかだな…迎えに行ってやるからどこの局だ?}
『えっと××局』
{××な…10分ぐらいで着くからよ}
『うん、ありがと』
{気持ち悪ッ!・・・何かあったのか?}
『…前半が無かったら教えてたけどやっぱやめた、お前今日カップ麺も無しな』
{悪かったって!で・・・大気か?}
『…ねえ、将之』
{あ?}
『明日、彗星見に行かない?』
{彗星…?}