それは、必然

□Act.1
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「スター・ジェントル・ユーテラス!」


「ギャアアアアア!!」




聞き覚えのあるセリフと声
耳を劈くような断末魔


閉じていた目を開けるとそこにはセーラー美容師はおらず代わりに



「大丈夫?」




良く知っている3人がいた






『うそ…』




ファージが現れた時点で此処は今スターズのときだということはわかっていた
だから3人が現れるのも頷ける



頷けるが予期せぬ登場に頭が追いつかなかった





「ちょっと、ほんとに大丈夫?」


黒髪の女性ににそう訊かれ飛んでいた意識が戻った


『え、あ、はい』


「外傷はないみたいね」


「痛いところとかない?」


『あ、大丈夫です』


「それにしても女子高生がこんな時間に出歩いてるなんて…今のとは別に他の危ない事が起こるわよ?」


『はぁ…』


「はぁってあんたねえ…」


銀髪の女性が呆れたように呟いた


「まあまあ、貴女、送っていくわ、貴女みたいな子が一番危ないのよ?」


「そうそう、家はどこ?」


茶髪の女性と黒髪の女性にそう訊かれハッとした








そうだ、私、家ない・・・








「…どうしたの?」


いきなり俯いた私を不思議に思ったのか銀髪の女性が聞いてきた


『あの!』


勢い良く顔を上げた私に3人はビックリしたようだが私はかまわず続けた






『今すぐ契約して入れる家、知りませんか!?』












「・・・は?」


「…今すぐ?」


「貴女もしかして…家出?」


『家出じゃないけどそんな感じです!家ないんです、野宿したくないんです、知りませんか!?』


「無い事もないだろうけど…貴女お金あるの?」





『・・・あ』






私の現在の格好は制服で、通学用のカバンも持っていた
一応、お金はある
女子高生にしては持ちすぎな2万円
しかし家を借りるには絶望的な2万円
コツコツ貯めて今日やっとほしかったドラマのDVDBOX買おうと思って持っていた2万円






『・・・ないですね』


「…でしょうね」





そりゃあ風呂無しの家だったら足りるのかもしれないけどDVDほしいし…
あ、でもこっちにはないかも…




私がグルグルと悩んでいる間に3人は何かを話していた






「どうする?この子」


「どうって…そりゃあ本当だったら少し心配だけどギャラクシアの手下だったら…」


「でもあの顔は本当っぽいですね」



3人は必死で考えている少女を見た




「ま、手下だったら倒すまでよ」


「ちょっと…」


「いいじゃないですか、本当に手下だったら野放しにしておく方が危ないでしょうし」


「…はあ、しょうがないわね…」


「フフ、決まりね、ねえ貴女」



ずっと考えふけっていたので急に声を掛けられ少し驚きながら振り向くと





「私たちの家に来ない?」










『え、』


「お金も家もないみたいだし、私たちの家部屋余ってるから…どう?」


『え、でも…』


「まあ、急に言われても困りますよね、だったら家にまず着てみませんか?こんな道端で何時までも話していたら埒が明きませんし…」


「大体私お腹空いてるから早く帰りたいの、ホラ、行くわよ」


銀髪の女性に腕を引っ張られた




『え?!じゃ、じゃあ…おじゃまします…?』
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