それは、必然

□Act.16
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『食材買ったし…あとは…あれ?』



「どうした?」



『あの…電柱にしがみ付いてんの…うさぎちゃんたち?』



「はあ?んなわけ…ほんとだ」



「何してんのお前ら…」



「あ、あははははは」














どうやらうさぎちゃんたちはちびちびちゃんの後をついていたようで現在私たちも尾行中


ちびちびちゃんはいろんな人から声を掛けられていた





「あれ、あの人形…」



「なに?」



「いや、まさかね」



「あ、お金拾ったわよ」



「どうするつもりかしら」






様子を見ているとちびちびちゃんはちゃんと交番にお金を届けた




(はじめてのおつかい見てるみたい…)





「えらいわね、ちびちびちゃんのああいうしっかりしたところってちびうさちゃんに似てるのかしら」



「てことは、ちびうさちゃんの子?」



「何言ってんの?あの子はお前の妹なんだろ?」



「あははは!ちょっとねー!」



「なんか…変ですね」



「気にしないで、ドンマイドンマイ!」





(美奈子ちゃん、ドンマイはちょっと違うと思う)





「ところで、なんで俺たちあのちびすけ追いかけてるわけ?」



「「さあ?」」













そしてさらに尾行中、大きなお屋敷の前に来た





「やってきましたお菓子の国!」



「なに?」



「こっちの話」



「入ってくわよ」



「とにかく、ついて行こう!」






そそくさと入るみんな






「桐山…どこかできいたような」



『大気?』



「あ、今行きます」










屋敷内に入ったはいいが誰にも会わず結構奥まで入ってきました




「不法侵入…」



『しー!』



「ねえねえ、ここらへんになにげなーく置いてある石とかってすんごい高かったりして」



「これは石じゃなくて現代彫刻だよ」



「え、ほんとに高いの?」



「時価1500万」






びっくりしすぎたレイちゃんが彫刻の乗ってある台座に当たり危うく落とすところに





(お、恐ろしい…!)






見渡してみればどれも価値の高いものばかりおいてあるこの屋敷






「あ、ちびちびの声だ!」





声のした方を覗き見ると椅子に座り向かい合っているちびちびちゃんとこの屋敷の人間であろう老人が





「人がいたのね」



「なんか、ちょくちょく遊びに来てるって様子だな」



「そうか、やっぱりあの人形はジュモー…」



「なにそれ」



「1000万はくだらないといわれるアンティークドールのことよ」



「ええ?!1000万?!」







ちびちびちゃんを見るとカップを人形の口に当て飲ませるようにしていた





「ひょっとしてあのティーカップもなんたらのなんとかだったりして!」



「ウェッジロッドのジャスパーウェアですね」



『なんて?』



「それって高いってこと?」



「ティーカップ一脚で10万ぐらいかな」



「ひいいいい!お願いだから割らないでよちびちび」







その時、老人が振り向いた




「あれは!」



「げげ、マジ?」



「誰がゲジゲジ眉毛よ」



「何々どうしたの?」



「あれは桐山グループの会長ですよ」



「ええ?!桐山グループって大財閥の?」



「そ、日本経済界の影の黒幕って言われてるやつ、どおりで宝の山だったわけだ」



「私たちの今度のコンサートの後援者なんですよ」







その時、ガシャンと何かが割れる音が





「うっそー!!誰が弁償すんのよ!!」





「誰だ」
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