それは、必然

□Act.7
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教室で星野たちと話しているとものすごい勢いで美奈子ちゃんとうさぎちゃんが入ってきた



「大気さん大気さん!」


「大気さん大気さん!」


「数学の宿題、ど〜してもわかんなくて〜教えてください」


「教えてください」





ああ、今回あの話か





「あれ、月野は本当だろうが愛野は下心入ってるだろ」


『はは、そうだね』


「大気もあんなのほっときゃいいのに」


「まあ、大気面倒見いいしな」


『どっかの誰かさんたちのおかげでね』


「誰のことだ?」


「自覚ねえのかよ…」


「あ、」


『ん?あ、』





夜天が声を上げ夜天の視線の先に目を向けると





大気のノートがご臨終なさっていました






(後でルーズリーフあげよう…)














現国の先生から提出物を職員室に運ぶのを言われて運んでいると階段の下に大気と亜美ちゃん、それから物理の天野川先生がいた




(げ、嫌な場面に遭遇しちゃった)




「学問に夢やロマンなんか必要ないでしょう?先生」




大気のその言葉に亜美ちゃんと天野川先生は驚いた




「そんなこと無いわ、先生だって夢やロマンがあったから彗星を発見できたんだと思うわ」


「水野君でしたっけ?」


「ええ」


「同じ学年トップの意見とは思えませんね」


「ええ?」





そんな2人の様子に天野川先生が気を利かせてワタル彗星を見に来ないかと誘い、亜美ちゃんは嬉しそうに返事をしたが大気は無言のまま階段を下りて行った





『…はあ』





これもまた言わなくちゃいけないのかな…?





『ほんと、頑固者なんだから』


「あれ?藤岡」


『将之』


「何してんだ?こんな所で」


『・・・お前は軽い奴でよかった』


「は?」


『なんでもない』


「…また、何かあるのか?」


『…うん、今度は大気』


「こりゃまた、めんどくせえ奴が…」


『…はあ』














放課後、うさぎちゃんに誘われて念願の初!皆でクラウンに!!




「ワタル彗星?」


「明日の晩、天野川先生が見に来ないかって」


「自分の名前が付いた彗星が宇宙を放浪しているなんて…なんかロマンチックね〜」


「うんうん、私もまもちゃんと彗星見つけて“うさぎ&まもちゃん彗星”って名づけようかな?」


「あ〜はいはい」


『“まもちゃん”って?』




知ってるけど一応聞いとかないとね




「ああ、“まもちゃん”は私の彼氏なの〜、今はアメリカに留学中なの」


『へえ、すっごいんだね〜』






でもそれは、最後に残酷な答えを聞かされる






(…できるだけ、うさぎちゃんのことも見ていなくちゃ)






「でも、何で“フランソワ”なんて呼んでるのかしら?」


「きっと先生の先輩の名前だよ」


「あははは…」


「恋人の名前だったりして」


「私もそうじゃないかなって…きっと素敵な人なんでしょうね」


「素敵な人…?あの天野川先生に?」





そう言ってうさぎちゃんは天野川先生を思い浮かべ、そして笑い出した





「そんなことよりさあ?今日天野川先生大気さんと一緒にテレビに出るんでしょう?」


「どうして、それを?」


「天野川先生の生徒だって言えば見学させてもらえるよね?」


「「「「『おお〜…』」」」」






美奈子ちゃん…




自分の野望のためにそこまでするなんて…






もう呆れを通り越して尊敬するわ…ハハ
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