それは、必然

□Act.1
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私が目を覚ましてから約30分



未だ状況が飲み込めず




『いや、ほんとここどこ?』


高3にもなって迷子とかほんと情けないんだけど…


『でも…明らかに地元じゃないしな…』


私が目を覚ましたらそこは見知らぬ公園でそれから公園周辺を散策してみたがどこも覚えがない


『…いや、覚えは…ある、か、な?』


覚えはあるにはある、昔から見ている“あるもの”と結構そっくりなのだ


『いや、でもな〜そんなこと現実に起こる訳が…』





その時私は自分の目を疑った






《いや〜またもやセーラームーンが活躍したらしいじゃないですか》

《そうみたいですよ、結構各地で助けられたって人多いみたいで》

《私も最初は存在を疑いましたがこれだけの情報がありますとね〜、心強い存在ですよ》

《ほんとに、これからの活躍っぷりも期待できますね、それでは次のニュースです》





『・・・マジかよ』



トリップって起こるもんなんだね



『…そっか、セーラームーンか…』





嬉しいけど…いまどこなんだろ…


最近スターズ見直したから覚えてるけど他のはなぁ…
うろ覚えだぞ
しかももしスターズ後とかだったら…




『…まあ、何とかなるか』



その時だった




「キャアアアアーーーー!!!」





『!?』







私は何も考えずに叫び声の方へと向かった
先ほど此処がセーラームーンの世界だってわかったばかりなのに




考え無しに行動した自分を呪った







『どうしたんです…か…』





そこにはもう私が覚えている限りの敵はおらず
いたのは頭上に花を咲かせその花の中から黒ずんだ宝石らしきものを浮かべた


黒い何かに包まれたものだった




『げっ!!あれって…』


「セーラー美容師!!!」


『うっそぉ…』


「そこの貴女!!」


『え!あ、はい』


「キューティクルが痛んでいますよ!」


『え、そう…?』


「このセーラー美容師が貴女のその痛んだ髪を美しい髪へと戻してあげますわ!!」


『だったらなんでそんなデカイハサミ出すんだよ!!』


「さあ、こっちへいらっしゃい」


『・・・に、』


「に?」






『逃げるが勝ち!!!』







全速力で逃げた






「フフフ、待ちなさい!!」











逃げた
そりゃもう全力で


でも私、運動オンチなんだよね
持久力も体力も平均以下だしさ…





だから40秒でつかまった







「あらあら、あなた足遅いのね」


『ほっ、ほっといて…!!』





久しぶりに全力で走ったから抵抗する力も無く




今目の前にはあの巨大なハサミが





「フフフ、キレイにしてあげるわ」


『っ…!!!』









人生18年
自分では長く感じるけど、平均寿命から考えたらたったの18年

これから恋も夢も、したいことたくさんあったのに





『もう、終わりかよ…!!』






…ヤダ


ヤダ…







助けて…!













『助けて、セーラームーン…!!』
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