それは、必然
□Act.15
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「女の子の見舞い?」
『そう、昨日大気うさぎちゃんに頼まれて手術前の女の子の見舞いに行ったんだって、なんでも、大病らしくて手術の前にスリーライツのファンらしいから会わせてあげたんだって』
「でもなあ…いつもの大気ならいいけど、今の大気はなあ…」
『そ、また悩んでるから心配でさ』
「今日のコンサートも大丈夫なのか?」
『昨日仕事から帰ってからも様子が変だったし…星野が言うには昨日ミスばっかりだったって…』
「…やっぱこんな状態だしコンサート前に会うのはやめといた方がいいんじゃねえの?」
『ここまで来て?』
2人の目の前にはもう部屋の中で準備しているという舞台袖の部屋の扉が
『失礼しま〜「今更何言ってんだよ!!」?!』
「ちょ、ちょっと星野やめて!」
扉を開けると倒れる大気と、大気を殴ったであろう星野、そして星野を止める夜天の姿が
「今夜のコンサート中止したいって…どういうことだ!」
『え、』
「中止?」
「俺たちはプリンセスのために歌ってるんじゃないか、そんな簡単にやめられっか!!」
「だから、今日は体調が悪いんです、こんな状態で歌ってもプリンセスに私たちのメッセージが届くはずないんです」
「勝手なこと言うなよ!どれだけ疲れてたって俺たち信じて歌ってきたじゃないかよ」
「そうだよ、“どうかプリンセスの届きますように”って願いを込めてね」
2人がそう説得するも大気は胸ぐらをつかんでいた星野の手を離させ
「とにかく、今日は勘弁してください」
「大気!!」
『2人とも』
「優衣、」
『私に任せて』
・・・いた、
歩道橋の上で雨が降っているにもかかわらず大気は佇んでいた
『大気』
「…優衣」
傘を差しのべながらハンカチでぬれた顔を拭いてあげ
『風邪、引いちゃうよ』
「・・・・・」
「大気さん!!」
『うさぎちゃん?!』
「みさちゃんが…みさちゃんが!倒れたの」
「え!」
病室に入ると呼吸補助機がつけられぐったりしているみさちゃんの姿が
「みさちゃん…」
「たい、きさん…」
とても小さな声で大気を呼び大気が耳を寄せる
「絵…描けなくなっちゃった…」
その言葉に大気がスケッチブックに目を向け亜美ちゃんが手渡した
そしてスケッチブックには
「こ、これは…」