それは、必然

□Act.4
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「…っはあ?!」


『あー予想通りの反応』


「漫画やアニメって・・・嘘だろ?」



『嘘じゃないよ、さっき“見た”でしょ?』





うさぎちゃんを





「!」



誰のことを言ってるのか理解したらしい将之は先ほどから立ち上がったままだったがのろのろと座って頭の中で理解しようとしているようだった



「・・・まあ…理解、するしか…ねえよな」


『何であんたがここに来たのか…まず、何で私がこの世界に来たのか、それがまだ解かってないけど…』


「…まあ、やらねえといけねえことがあるんだろうな、俺らに」


『そういうこと』


「でも、これでやっと理解しましたよ」


「大気?」


「なぜ私たちが3人しかいないのに…こんな5LDKの部屋を借りたのか」


「「!!」」


『そういえば、使ってないくせに5部屋もあるよね、この部屋』


「ええ、何故か5部屋あるところじゃないといけない気がしてここにしたんですが…こういうことだったんでしょうね」


「不思議だったんだよ、きっちりしてる大気がこんな5部屋もあるとこ借りて…しかも残ってる部屋は使わねえなんて」


「このためだったんだろうね」




今まで心の片隅で3人とも疑問に思っていたのだろう



少しすっきりした表情だ






『・・・すべては、必然』



「「「「!?」」」」



『多分必然だったんだよ、私がこの世界に来たのも、3人と出会って暮らしたのも、将之が来たのも…そしてこの部屋も…すべて“必然”なんだよ』


「・・・必然、ですか」


「まあ、そう思ったらすべて納得がいくし」


「そう思うしかないんだろうね」


「つっても俺この世界のこと知らねえぞ」


『んーそこは私の役目?』


「じゃあ、この人何しに来たのさ」


「俺が聞きてえよ」




今日、つい先ほどであったとは思えないような息のぴったりさに5人は噴出した





『あはは、まるで前から一緒に暮らしてるみたい』


「ですね」


「なあ、将之って呼んでいいか?一緒に暮らすんだしさ」


「ああ、適当に呼んでくれ、星野、大気、夜天・・・で、いいのか?」


「かまいませんよ」


「ところでさ、将之なんかできるの?家事とか」


「家事なあ・・・できねえ」


『うわっ最悪』


「仕方ねえだろ、やったことねえんだし」


『じゃあゴミ出し係』


「げ」


『それぐらいやれよ、飯抜きにすんぞ』


「…わーったよ」


「フフッそれでは明日までに転校手続き済ませますか」


「・・・めんどくせえ」


「…ちなみに入れない心配とかは…しなくてもいいですかね?」


「当たり前だろ、入れねえとかどんだけ頭悪いんだよ」




その言葉にプチッときた優衣は将之の胸倉を掴み下からガン飛ばして





『頭悪くて悪かったなあ…殺すぞ、てめえ』


「・・・お前そんな頭悪かったのか」




昔からの慣れなのか将之はまったくビビらなかったが





「・・・優衣怖い」


「怒らせないようにした方がいいですね」


「・・・大気並だぜ」


「・・・星野、後で話があります」


「げ!」


「…バカ」


「ああ、そうだ、私たちのことも教えといた方がいいでしょう」


『あ、そうだね』


「なんだ?」


「私たちもセーラー戦士なんですよ」






「・・・は?」


『ほんといい反応してくれるよね』


「え、いや、は?だって…男じゃねえか」


『変身したら女になるんだよ』


「そういうことですのでよろしくお願いしますね」


「・・・ま、よくわかんねえけど、納得するしかねえよな」


『じゃ、これから5人暮らし・・・よろしくね』















全ての歯車は揃った




それを上手くはめ込み




動かす事ができたら…







世界は・・・
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