それは、必然

□Act.7
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「なるほど、それで彗星見に行かない?って言ったのか」


『そ、でも…止まないね、雨』


「…ま、止むんじゃねえの?そんなでけえてるてる坊主作ってりゃ」




将之の視線の先には女性の手のひらほどの大きさの特大てるてる坊主




昨夜優衣が急遽作り鞄につけて今日を過ごしていたのだ





『効いてくれるといいんだけどね…こればっかりは人間の手には負えないし』


「そうだな…星野と夜天もこれればよかったんだろうが…」


『仕事じゃあね…大気、来てくれるかな』


「どうだろうな…お、着いたぜって、げ!」


『将之?どうかし…あ、』





天野川先生の家の門の影から様子を見るとファージと亜美ちゃんとメイカー






『来てくれたんだ…』


「つーかそういう状況じゃねえだろ」


『そうだけど…ここにいてもうさぎちゃんが来てもうさぎちゃん変身できないよ』


「…しゃーねえ、気づかなかった振りして中入るか」


『そだね』





丁度中に入ろうとしたその時






「スター・ジェントル・ユーテラス!」






メイカーがファージに攻撃し亜美ちゃんがファージを庇ったところだった





『亜美ちゃん!!』


「優衣ちゃん…」


『大丈夫?』


「ええ、大丈夫よ、ありがとう」


「な、何をするの?」


「やめて!この人は私の尊敬している先生なの!」





その時倒れていたファージが起き上がりまた亜美ちゃんの攻撃しようとしたがメイカーがすぐさま棒を蹴り上げた





「い、いてぃーちゃー…」


『さむっ』


「しょぼっ」





空気の読めないギャグをかまされ辛辣な言葉を言う優衣と将之





「ファージ化したそいつはねもう貴女の尊敬する教師なんかじゃないの!」


「いいえ、きっと戻ってくれる、私たちに夢やロマンを語ってくれた先生に!」


「…夢やロマンがそんなに大事?」


「夢やロマンを求めようとする心が私たち人間を動かすエナジーを生み出すのよ!」


「っ!」










“先生だって夢やロマンが会ったから彗星を発見できたんだと思うわ”








“探し出して星を再興させる・・・それって夢って言うんじゃないの?”











「そういうことなのね」





その時また棒を手に取ったファージが攻撃をしてきた





「勉強しなさいー!」





メイカーは亜美ちゃんを抱えて避け私は将之に腕を引っ張られた





「ったく、ほんと運動神経悪いなお前」


『うるせえ!』


「先生!」


「勉強ー」


「したくなあーい!!」


「今度は誰だ!」


「十番高校一の秀才、みんなの歩く参考書、亜美ちゃんを虐めるなんて許せない!はっきり言って勉強は大の苦手だけどこの私、愛と正義のセーラー服美少女戦士、セーラームーンがつきに代わっておしおきよ!」


「セーラームーン!」


「来てくれたのね」


「…マジでキメ台詞言うんだな」


『だから言ったじゃん』





その時ファージがチョークを大量に投げながら





「机に向かいなさい!」


「なんで?!」


「教科書を出しなさい!」


「やだあ!」


「問題集を開きなさい!」


「頭が痛くなるぅ〜!」







その様子を見た将之が






「おお、やっぱり勉強嫌いな人間はこうなるわけか」





と、何故か感心していた





『いや、意味わかんないし、まあ…セーラームーンの気持ちも解からなくはないけど…』


「…お前バカだもんな」


『てめえ…』






その時またメイカーがファージに攻撃した






「先生!」


「安心して、威力は半減させたから」


「え?」


「貴女の尊敬する教師ですよね?」


『メイカー…』


「セーラームーン、今よ」





セーラームーンは頷きティアルを出すと





「スターライト・ハネムーン・セラピー・キッス!!」


「ビューティフォー!!」





ファージは天野川先生に戻り、亜美ちゃんがメイカーに御礼を言おうと思い振り返るともうメイカーの姿は無かった




「亜美ちゃん、雨上がったよ」


「え、わあ…」




夜空には雲の隙間からたくさんの星々が輝いていた













その後、美奈子ちゃん・レイちゃん・まこちゃんも天野川先生の展望室に集まった





「もうすぐ見えるよ」


「わくわく、わくわく!」





その時チャイムの音がした





「あ!」


「「あー!きたー!!」」





美奈子ちゃんとうさぎちゃんが玄関へ迎えに行き大気が展望室へとやってきた





「雨が上がったら来るって、約束しましたからね」






そしてとうとうワタル彗星の見える時間となり





「お、見えたぞ、ワタル彗星」


「フランソワでしょ?先生」





亜美ちゃんにそういわれ照れたのか天野川先生は笑い出した





「見えますよ、君の言っていた夢やロマン…私も自分の夢やロマンを大事にしよう」





大気のその言葉に頷いた亜美ちゃん





『…どうやら和解できたみたいだね』


「つーかあいつら人ん家なんだからもうちょっと静かにしろっての」


『いいじゃん、少しぐらい、天野川先生も楽しそうだしさ』


「まあ、そうだけどよ…」


「優衣」


『大気』


「昨日言っていた優衣の言葉…私が間違ってました、あれは使命なんかではなく…私たち3人の大きな夢ですね」


『大気…』


「昨日は酷い態度を取ってしまってすみませんでした」


『…いいよ、大気が少し大人になったみたいだから、それで十分』


「さーて、ワタル彗星も見たし…そろそろ帰るか、3人で」




ニッと笑う将之



私と大気もつられて笑い昨日のことが嘘のような雰囲気で私たちは帰っていった
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