雪の華-love again-
□再開
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…ワイワイガヤガヤ。
ホール内は何十人もの人で溢れかえっている。
「おーーい。こっちビール足んないよ」
「あ。○○ちゃんっ!久しぶりっっ!!」
そんな会話が飛び交う中、貸し切ったホールは熱気と歓談に満ちていた。
そう。今日は5年ぶりの中学校の同窓会。
ハッキリ言って気乗りしなかったのだが、此処にいる。
「まどかぁ。ちゃんと飲んでる?」
私をここに連れてきた張本人、紗耶香がやっと戻ってきた。
「まぁ。テキトーに飲んでるよ」
ホテルのホールを借りての同窓会なので一応ある程度のドレスアップはしているせいか、5年前に病気を患ったせいで、体型が変わっているからか、誰も私だとは気づかない。
なので、壁の花状態。
「ほらぁ。みんなと一緒に飲もうよ」
昔から人当たりの良かった紗耶香は友達も多い。だから、余計私の変貌ぶりに皆が驚く。
「結構ここも楽しいのよ。全体が見れて」
「あ。そう言えば…」
(聞いてないしっっ!!)
「修司君も今回は来るらしいよ。何か新幹線遅れて乗ったらしくて遅れてるらしいけど。」
「っっ!!」
彼が来る。。。
やっぱりこんな同窓会来るんじゃなかった。
―そんな時。
「おー。修司遅いぞ」
遠くで誰かがそう叫ぶ声が聞こえた。
彼の回りにはたくさんの人だかりができてきた。
陸上部だった彼は、クラス関係なく友人も多い。
もちろん、女子の群れも多い。
「相変わらずすっごい人気だねぇ」
「そうだね」
「まどか、行かないの?」
「何で?」
「い、いや。何となく…」
今更、好きだった人にわざわざ会いに行く事もないだろう。しかも、あんな別れ方したのに。それに私にはれっきとした旦那がいる。
紗耶香とそんな会話をしていたその時―。
「相原さん?」
懐かしい声に旧姓を呼ばれた。
「…は、はいっっ!?」
振り向くと背の高い面影の残る彼がそこにいた。
「井上さんも久しぶり。相原さんも元気にしてた?」
「修司君。まどかの事よく気づいたねぇ」
(おいっっ!)
「えっ、何で昔のまんまじゃん」
二人の会話に入ることも出来ず、ただ私はじっと黙っていた。
一次会も終わる頃。
「ねぇ。紗耶香」
「何?ほら、二次会行くんでしょ?」
「うん。私変わったよね」
「いきなり何言ってるの。酔った??
「いや。何でもない」
12月末、私の周りで何かが起きようとしているのを感じた。