短編

□君が笑う
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夢主は龍之介の幼なじみ
ちょいグロ入るかもです
一応魔術師の家系















相変わらず気味の悪い生き物(海魔だっけ?)を通り過ぎると、うるさいほどの悲鳴が聞こえてきた
あー、またやってるんだなって、のんびり思いながら歩みを進める


『龍、今日行くから殺すの待っててって言ったよね?』
「あ、唯華だー」
『あ、唯華だー
 じゃない!
 なんで始めてんの?』
「ん?
 だからまだ殺してないじゃん」
『殺し始めるところから見たかったの!』


大きくため息をつくと龍が殺していた、明らかに瀕死状態の子供が小さく悲鳴をもらした


『それ、まだ生きてるの?』
「うん!!
 すっげーだろ!
 旦那がやってくれたんだ!!」
『さすが、だね』


龍が旦那と言って慕う男は多分、ジル・ド・レェっていう人
青髭、ジャンヌから推測してみたけど、多分あってると思う

青髭さん(って呼んでって言われた)から聞いた話によると、龍達は聖杯戦争っていうのに参加しているらしい
でも、今の2人は完璧に聖杯戦争を無視している
実際、我々の勝利は決まった!とか言ってたし

龍から貸してもらった青髭さんを召喚した本をよく読むと、聖杯戦争を管理しているのは教会だとわかり、話を聞きに行った
そしたらちゃんと魔術の痕跡を消すように、一般人にはばれないようにと注意された
人を殺すこと自体は魔力を蓄える為に行うならいけないことではないらしい
教会としてはどうなんだろう・・・

まあいいけど
幸い、私の家は昔魔術師の家系で、私は何十年ぶりに魔術回路が開いた人間だった
だから魔術を少しは心得ているため痕跡を消すことはそう難しいことではなかった
まあ、と言っても全然大した魔術回路ではないので凄く疲れるのだが・・・


「唯華、見て見て!!」
『なに?』


龍の方へ向くと、龍は笑顔でさっきとは違う子に手をかけていた
私はこの笑顔が好き
龍が人を殺すまで、私はこの笑顔を知らなかった
ずっとボーッとしている、大人しい人だと思ってた
でも違った
人を殺している時にだけ見せるこの表情が、本当の龍だった


『ねぇ、龍』
「ん?」
『楽しい?』
「当たり前じゃん
 すっげー楽しいよ!!」


子供をぐちゃぐちゃにしながら笑う龍に安心した
よかった、ならいいや
龍が楽しいんだったら、私はそれだけで幸せなんだから





君が笑う





そのためだったら、なんでも出来る
それだけ私は、龍に惚れているのだ



END
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