大切な事は1つじゃない!

□その3
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『ふわー』


来ました、時計塔
これから私は間桐唯として魔術を学ぶ
間桐と言えば御三家の1つだから、結構プレッシャーがあると言えばあるんだけど
それより


『魔術!魔術!魔術!!』


魔術を学ぶ楽しみの方が上!
だって魔術だよ!!
私かっこいい!!

それに、未来を少しでも変えられたことが嬉しい





「いってらっしゃい、唯君」
『行ってきます、雁夜さん!』
「無理しちゃ駄目だよ?」
『雁夜こそ、絶対に無理しないでくださいね?』





出掛ける前の雁夜さんとの挨拶を思い出す
そういえばこの間は勢いでタメ口で喋っちゃったけど、ちゃんと敬語使ってるよ!!

雁夜さんは一応(ちゃんとは納得してないと思う)私に聖杯戦争を任せてくれた
でもアシストしたいからって少しずつ魔術を習い始めるらしい
蟲は絶対駄目!って言ったけど、守ってくれるかな・・・
心配ってことと少しでも仲良くなりたいからって文通してくれることになったけど不安だよ


『信じるしか、ないんだけどね』


とりあえず私はここで頑張るしかないんだから

それにしても大きいな〜


「間桐唯か?」
『ふわっ!?』


突然後ろで大きな声がして振り向くと・・・


『あ・・・ケ』


ケイネス先生がいました
って言うか危ない!!
思ったことを口にする癖直さないと!!!


「ケ?」
『な、なんでもないです!!』
「そうかね
 じゃあきたまえ」
『はい!!』


そう言ってケイネス先生は私に背中を向けて歩き出した
あ、そう言えば私は英語話せないよ?
でもケイネス先生の言葉わかった・・・
なんでだろう?


「私が日本語を喋っているからだが?」
『・・・俺口に出してました?』
「ああ」


あー
言ったそばから・・・orz
って言うか・・・


『凄いですね!』
「君と同じように1年後には聖杯戦争に参加するのでな」
『あ・・・』


そう言えばそうだった
冬木の聖杯戦争
つまりで日本でやるからケイネス先生も日本語を学んだって事か・・・


「しかし日本語を喋れる魔術師は少ない
 それから授業は全て英語だ」
『げ・・・』
「そのような理由でこれから私が魔術をかける」
『え・・・』


ケイネス先生が私に・・・?


「安心しろ
 1年後敵になるからといって変な魔術はかけん」
『いや、それについては別に心配してませんけど』
「ではなんだ」


いや、ほら


『なんだか優しいな、と』


もうちょっと冷たい印象があったんですよね
と笑うとケイネス先生は振り返った
思いっきり眉を寄せ、不機嫌そのものの顔つきをしていた
あ、怒らせた!?


「そうか、ならば望み通りの対応をさせてもらう」
『え、あ、嘘です!嘘ですよ!!』


ケイネス先生はそのまま私を置いて、さっきまで向かおうとしていた方向とは違う場所に歩き出した
慌ててそう言うと足は止めてくれたが顔はまだ不機嫌のままだった


『すみません』
「・・・・・・・・・・・・
 別に、気にしてない」
『か・・・』


可愛い!!!
なに今の!!
絶対不機嫌なのに、それなのに!!
別に、気にしてないって!!!
・・・ヤバい、この世界可愛い人が多すぎる!!


「か?」
『いえ、なんでもありませんよ』


思わず漏れてしまった本音を心の奥に引っ込め、ニコッと笑ってみせる
ヤバい・・・にやけてないかな?


「そうか」


ケイネス先生は少し不審そうな顔をしながらも頷いてくれた
可愛いなー←


「ではいくぞ」
『はい!!』


そういえばこれから初生魔術だ!!
楽しみだな〜
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