短いお話

□一度だけ...
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"一度だけでいいから..."


そう、これがすべての始まり。



今日も仕事帰りにきたホテルで
ウヒョンのそれをくわえてるわたし。

頭を上下に動かされて、彼から
でた白濁の液を飲み込む。

わたしを押し倒して優しく挿入する


「...はぁ!!っん!」


「きついから力抜いて」


徐々に早くなる動きに意識が飛
んでいきそうになりながら、ウ
ヒョンの顔に手を添えてキスし
ようとする。

でも顔が近づくとウヒョンは鼻
とか瞼に軽くキスして絶対に唇
にはしてくれない。

だんだんと降りてきた子宮口に
がつがつぶつかるウヒョンにな
んどもイきそうになる


「ひっ...!イくっ!」


「っん...俺も...」


「ウヒョっン...あいしッてるッ!」


ほぼ同時に果てた私たちは
汗が滲む体をすぐに離して、余
韻に浸る時間もなくウヒョンは
着替えをはじめる。

いつもおもうけど
この時のウヒョンがいちばん
カッコイイ。

そんなことを思いながらうとうと
してたらウヒョンの電話が鳴った


「...もしもし俺だけどどうした?」

電話の相手はウヒョンの彼女。


私のときにはつかわない声で会
話するウヒョンが憎い。


「...うん、すぐ帰るよ、愛してる」


私には一度も言わない言葉。
体は何度も重ねたことはあるけ
ど、一度のキスもしたことはな
い。


わたしにはなれなかった彼の
そばにいる彼女が憎いけど、
こうして体だけの関係も今の
わたしには充分。


「彼女なんだって??」

「早く会いたいだって、本当めんどくさい奴」

「なら私にすればいいのに」

「ばーか、何いってんだよ」

「本気なのに」

わたしは本気なのに、また今度
なっていって帽子とサングラス
を深くかぶって部屋から出てい
くウヒョンが嫌い。

わたしたちがこんな関係になっ
たのはわたしの諦めがつかなか
ったから。

フラれたのに一度だけっていっ
たわたしのせい。


きょうもベッドで流した涙を
拭って部屋をでる。



こんな自分が大嫌い。







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