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□傷付いて傷付けられて2
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「大介!!どうしたのその目!!」


「ああ安部ちゃんおはよう…昨日ちょっと怖い夢見て泣いちゃって…」


「そう…今日が収録の日じゃなくてよかったわ…その目じゃメイクさんもお手上げよ…」


「うん…ごめんね…何でもないから…」


「おはよー大ちゃん♪…わっ!?どないしたんその目!!」


「おはよう西川君…なんでもないよ…」


大介は今日のセッションメンバーに一人一人目の腫れを聞かれうんざりしていた


大介は極力ヒロの事を考えない様に勤め、無事セッションは終わった


その間ヒロからは一切連絡は無かった


「大ちゃんお疲れ〜」


「あ、お疲れ様西川君」


西川は大介を連れて人気のない場所へ来た


「どうしたの西川君…こんな所来て…」


「大ちゃん…正直にいいや、貴水君と結構な喧嘩したんやろ?」


大介の押さえつけていた感情が涙となって溢れる


「ちょ!!こんな所で泣かんとってや!?俺が泣かした思われるやろ!?やっぱ貴水君なんやな?」


「…うん…」


ずるずる鼻をすする大介に西川はティッシュを渡す


「何があってん?」


「…ヒロが…僕と別れる…って」


「はぁ!?ないないないない!!喧嘩の延長やろ!?」


大介はヒロからきた昨日のメールを見せる


「…なんかおかしいな、文章」


「…そう思って電話したら、昨日ヒロと飲んでた人が出て、僕の事面倒だって言ってたって…」


「そんなん酒浴びる程飲んでたんやろ?一回素面で話しいや…」


「…うん…僕…別れたくない…ありがとう西川君話聞いてくれて!!少し楽になったよ…じゃあね!!」


大介はサングラスをかけ、そのまま走り去っていった


「ちょ…大ちゃん!!」


大介は振り向かない


「……この携帯どうすんねーん!!」


大介は西川に携帯を渡したまま車に乗り込んでしまった


そしてそのままスタジオを後にする


キキーッ!!バン!!

「はぁはぁ…運転手さんスンマセン、前の車追っ掛けてもらえますか?」


「はい、わかりました。」


西川は大介に携帯を届ける為にタクシーに乗った


(携帯人に見せて忘れるってどないやねん!!…あー!!修羅場だけは勘弁やで…)


−−−−−−−−−−−−−−−


「…ロ…ヒロ!!いい加減起きろ!!」


「う〜ん…あれ?ここ何処?…あったま痛ぇ〜…気分わり〜…」


「俺の家だよ!!昨日お前バーで潰れたんだよ!!」


ヒロが起きたのは夕方だった


「パートナーの浅倉さんからコールが何回もあって、起きたら電話くれって言ってたぞ」


「え!?仁君電話出たの!?いらない事喋ってないよね!?」


「あー、ちょっとお前の恋愛相談受けてるって言っちまった…俺も酔ってたから…あとお前恋人にメールしてたぞ」


「はぁ!?」


ヒロは昨日の記憶が全然ない


慌てて携帯を見る


「なんだよこの内容ー!!」


ヒロには全く身に覚えが無いようだ


「ありがとう仁君!!また飲みに行こうね!!」


「…お前とはもう行きたくねー」


そんな仁を無視して、仁のマンションを慌てて出た所で大介に電話をかけた


そのままタクシーを拾い、大介のマンションを目指す


−−−−−−−−−−−−−−−

♪〜♪〜♪〜

(ゲッ!!こんな時に貴水君から電話や!!)


♪〜♪〜♪〜


中々鳴りやまないので、一回切ってマナーモードにした

(まぁ…タクシーの中やゆーたら説明つくやろ…)


−−−−−−−−−−−−−−


(…切れた…)


(何だか嫌な予感がする…)


とにかく今は大介に会うのが先決だ


タクシーの運転手にスピードをあげる様頼む


−−−−−−−−−−−−−−−

大介が自宅に着いた


その後を追って西川も大介の自宅へ着いた


「運転手さんスンマセンでした、ほなこれお釣りええですから」


西川は万札を一枚渡し、大介がオートロックの玄関に入る前に大介を捕まえた


「大ちゃん!!」


「あれ?西川君どうしたの?」


「どーもこーもあれへんよ!!自分の携帯忘れてスタジオ出るて何やねん!!はぁはぁ…」


西川は大介に携帯を渡した


「あっ!!ゴメン僕うっかりしてたね…まぁ上がってよ…お茶でもいれるよ」


「いや、俺はすぐ帰る!!なんか嫌な予感すんねん…後貴水君から電話あったで…」


そこへ


「大ちゃん!!…て…え…西川…君!?」


(うぎゃー!!修羅場やんけー!!)


ヒロも大介のマンションに到着したのだ


「…大ちゃん…もう俺に見切り付けて西川とデキちゃったの?」


ヒロは西川を睨む


「ヒロこそ…あんなメール送るだけ送って…僕の事面倒なんでしょ?」


また大介の目から涙が溢れる


「全然面倒じゃないよ!!何言ってんの!?俺昨日飲み過ぎて何も覚えてないんだよ……おい!!西川!!」


「なんも関係あらへんで俺!!大ちゃんの携帯を…」


「大ちゃんが弱ってる隙をつくなんて卑怯だぞ!!」


…ヒロの強烈なパンチが西川のボディにヒットしてふっ飛んだ


「ぐはぁ!!」


「ヒロ!!西川君は僕がスタジオに忘れた携帯を届けてくれただけなの!!」


「………え!?」




−−−−−−−−−−−−−−


「…で、こーゆー事情で俺は此処におんねん!!」


口の中を切った西川は大介の自宅で応急処置を受けていた


「そーだったのか…ごめん西川君!!俺殴っていいから!!」


ヒロは顔を西川の前に差し出す

「芸能人の顔殴れる訳ないやろ!!」


「ヒロが一番いけないんだよ…あんな…別れようなんて…」


大介はボロボロ泣いている


「ゴメン大ちゃん…俺…別れたくない!!あんなメール打ったのも記憶に無いんだ…それに面倒なんて思ってない!!」


「ヒ…ロ…」


「うる覚えだけど…仁君が「付き合っていれば傷付くのは当たり前」って言ってた…だったらこれから先俺達別れて大ちゃんが別の人と付き合っても大ちゃんは傷付く事もあるでしょ?だったら俺達別れないで一緒に傷を乗り越えていこう…」


「…うん…僕もヒロと別れたくない…ずっと一緒にいたい…」


「大ちゃん…」


「ヒロ…」


まさに二人がキスしようとした瞬間


「…お前ら、誰かわすれてないか?」


西川が喋った


大介とヒロは顔を合わせて笑う

「笑い事やないわー!!俺は帰る!!…もう喧嘩したらあかんで?」


二人は頷く


「…今日は厄日やわ…ほなな、二人共」


「うん、ごめんね西川君…それでありがとう!!」


西川が帰った後、二人は謝りながら甘い情事に夢中になる…







…その後、二人が痴話喧嘩をおこす度に大介は西川に相談して巻き込まれる事になる事を西川はまだ知らない…



おわり

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