SS
□とびらをあけて
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深夜のリビング。
聞こえるのは時折家の前を通る車の音と、炊飯器が米を炊くコポコポという音、
時計の針が進む音だけだ。
そんな中、私は一人で寒さに震えながらリビングにいた。
怪異を体験するためだ。
もちろん、ここは「そういう」噂が立つ家ではない。
かといって、私が世間でいうところの厨二病な訳でもない。
きっかけは今日の夕飯の支度時に起こった。
「そういえばね、」
そう言って母は野菜を手際よく切りながら切り出した。
「ここの勝手口から出るとすぐに、生ゴミ用の大きいポリバケツがあるでしょう?それがたびたび荒らされているの」
動物の仕業なのではないの、と私は言い、もしや人間かもという非現実的な意見も付け加えた。
「いや、それが紅茶のゴミだけ荒らすの。可笑しくない?」
その『何か』が物色した後には、蓋の空いたポリバケツと何故か紅茶のゴミ(私の家は茶葉からきちんとドリップして淹れる)だけ散らばっているのだという。
因みに人間が犯人という意見は否定された。
蓋が空きっぱなしなのは人間にしては不自然だからだ。
だから、犯人は「蓋を開けることは出来ても閉めることはできない」ものとなる。
「紅茶が好きなのかもね?」
「逆に散らかしたくなるほど嫌い…なのかな。」
ポリバケツがあるスペースは外へ繋がっているが、外への扉は閉まっており、さらに石で重しまでつけている。
「…とにかく、その犯人『出待ち』してみたい。」
私はそう言って夕食のあとリビングに残った。
そして今に至るのである。
――――
っていう子ミツが謎の現象を体験するちょっと不思議な話が書きたい。
しばらく待ってたらごそごそ、って物音が聞こえて、扉開けようとするんだけどもしかしたら紅茶が好きだった信さんの幽霊かもしれないという考えが頭をよぎって扉を開けられない子ミツ。
正体は迷いこんだ猫か何かで。
にしても生ゴミのポリバケツとか御剣にしては庶民的な家に住んでるな、とか
子ミツの口調おかしい、とかは
スルーの方向で(^ω^)←
リハビリ作と言い張る。