SS

□梅雨前線進行中。
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ザー…ザー…


降り続く雨は「梅雨」と呼ばれるもので。



「今日も雨だねー…、なるほど君。」

窓の外を眺めながら真宵ちゃんがぽつりと呟く。


「…梅雨だから仕方ないんじゃないかな。」


「もう、なるほど君!!雨は家事の大敵なんだからね!!雨だと洗濯物干せないし…」


僕に向かってそう言ってから、真宵ちゃんは鬱々とした目で窓の外に視線を戻した。


彼女も心なしか機嫌が悪そうだ。

それもそのはず、6月の初めから突如降りだした雨は、強い弱いを繰り返しながらも、もう一週間程続いていた。



そんな天気が続いているのだから、人間の心に鬱々としたものが蓄まってしまうのは身をもって知っている。


でも、僕が憂鬱なのはそんなことだけが理由ではなかった。



「はぁ……。」


僕が重い重いため息をついた後、暫く事務所の中は雨音だけが響いた。


不意に、また真宵ちゃんが口を開く。



「なるほど君、雨降り続いててみつるぎ検事が事務所来ないから調子悪いんでしょー…?」


「なっ!?ち、違うよ!!」


その言葉に慌てて否定したものの、図星ということは否めないし、真宵ちゃんはニヤニヤしている。


「うぅ…。」


…暇だからって、人をからかうのはあんまりじゃないか…





御剣怜侍。

検事局きっての天才検事と呼ばれ、僕の幼なじみ兼ライバルの男。

そして、僕にとって片想いの相手。





ずっと、ずっと、追い続けてきた。


あいつを追い続けている内に、弁護士になった。


そして、気づいた。

小学校の頃、僕を助けてくれた"憧れの君"はいつの間にか"片想いの相手"になっていたこと。





(…御剣は、何にも知らないんだよ、ね…)



いくら親友とはいえ、雨の降る中わざわざ遊びにくるような人はいない。
それに、御剣は元来仕事がかなり忙しい人間だ。

だからここ数週間御剣がここに来ないのは当たり前っていったらそうなんだけど…
目下御剣に片想い中の僕としてはちらりと「会えなくて寂しい」なんて乙女な思考が浮かんでくるから、僕は真宵ちゃんに気づかれないように、そっと自嘲した。




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ちょっと前に書いた作品を加筆修正したもの。

しかしこっから先が上手くまとまらない…orz

「続き読みたい!!」なんて需要があれば頑張ろうかな←ナニソレ


 

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