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□「はいはい、降参です」
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「なあ、御剣」
「なんだ」
「『誰でも見ることができるけど幸せそうな笑顔』と『自分しか見られない膨れっ面や泣き顔』ならどっちがいい?」
「なんだ急に」
「…いや、前テレビか雑誌で見たから、さ。」
「……うム…」
「あ、そこまで悩む問題じゃないからな?」
「成歩堂、それは選ばなければならないのだろうか」
「いや、だからそんな真剣に悩むことじゃ…ほら、眉間のシワ増えてるし。」
「…私は、君に悲しい顔をさせたくない。しかし、私にだけは悩みを打ち明けて欲しいと思っている。」
「…御剣」
「私は君に笑顔でいてほしいと思っている。しかしその笑顔を他人にまで見せられるほど私は寛容な人間ではない。」
「………なにそれ、矛盾してんじゃん。」
「だから…『どちらを選ぶ』などと、出来ない。」
「…お前、実は馬鹿なんじゃないの?」
「……ああ、君のことに限っては、な。」
【はいはい、降参です。】
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お題元「ふたりへのお題ったー」