宇宙蛙物語
□クルル 「あなたは私の憧れです」 であります!
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次の日、やはりタママとドロロは学校に来なかった。
ケロロ達は一日中沈黙を守り、いつになく周りの空気が張り詰めている。そして放課後、ケロロ達が帰ろうと準備をしていた時に放送の合図がスピーカーから流れた。
『1年清掃委員、1年清掃委員、来週の大掃除について説明会を開くので、至急職員室長谷川の所まで着なさい。繰り返します・・・』
放送が終わると、ギロロは思いっきりしかめっ面をしていた。
「・・・俺だ」
まったくなんでこんな時にと思いながらも、ギロロは鞄を持つ。
「終わるまで待ってようか?」
冬樹が言うが、ギロロは首を横に振った。
「いや、いつも遅くなってしまうからな・・・先に帰っていてくれ」
そう言って、ギロロは教室を後にした。
「えぇ〜!ギロロ清掃委員なの!?」
校門で冬樹たちと待ち合わせしていた夏美は思わず大きな声を出してしまった。周りにいた生徒にじろじろ見られ、夏美は頬を染め、今度は小声で話し始める。
「ど〜すんのよ!今1人で行動するのはまずいんじゃないの?」
夏美の言葉にケロロたちは俯く。夏美は腰に手をあて、小さく息を吐いた。
「いいわ、私がギロロを待ってる」
ケロロたちは驚いた表情を夏美に向ける。
「いや、しかし夏美殿・・・」
夏美は何か言いかけるケロロを力いっぱいに校門の外に押し出す。
「大丈夫だって!私の強さはあんた達もよく知ってるでしょ?」
そう言って腕を曲げ、力瘤を造ってみせる。たしかに、夏美は強い。なにせ地球最終防衛ライン。この中で、本気の夏美と戦って勝てるものはまずい無いだろう。
ケロロは何もいえなくなってしまった。
「晩御飯の用意、ちゃんとしときなさいよ?」
そう言って、夏美は小走りで校内に戻って言った。