宇宙蛙物語
□クルル 「あなたは私の憧れです」 であります!
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「どういうことか説明しろ!クルル!」
ワルルの円盤型宇宙船との通信を終えた直後、ギロロはクルルの襟首を掴み、鬼のような形相で怒鳴った。
このままではクルルが窒息死してしまうため、他の3人はギロロを止めにかかる。しかし、次のクルルの言葉でその必要は無くなった。
「悪りぃ・・・・」
4人は目を見開き、ギロロは驚きのあまり手を離す。そして、クルルの拳が硬く握られているのに気づいた。
「いったいどうしたというのだ?宇宙船を目にしたときと言い・・・いつものお前らしくないぞ?」
ギロロの言葉に、タママも頷く。
「そうですよ〜!」
クルルは沈黙を守る。その様子に、ドロロが静かに口を開いた。
「・・・心当たりが、あるのでござるな?」
その言葉に、クルルは大きく息をついた。
「・・・言うべきかどうか迷ってたんだがな」
そう言って、クルルは少し間を空ける。
「あいつの乗ってきた円盤なんだが・・・あれは故障で落ちたんじゃねぇんだ」
ある意味カミングアウトなクルルのセリフにケロロたちは言葉をなくす。
「・・・ペコポンの言葉で言うと『百聞一見にしかず』だな」
クルルはそう言うと、自分のいつも使っているコントロールパネルへと向かい、目にも止まらぬ速さでパネルを打ち始めた。
しばらくして、宙にバーチャル画面があらわれ、画面に発見当時のメテアの宇宙船が映る。
「これは・・・」
画面には発見当時のメテアの宇宙船が映っていた。画面は5秒ほどたつと、違う側面から見た宇宙船の映像に変わっていく。
「先輩」
クルルはふいにギロロを呼ぶ。
「この写真を見てどう思う?」
ギロロはそういわれて、次々に変わっていく映像をじっと見る。
「・・・別にただの壊れた円盤じゃん?」
ケロロは両手を肩の高さまで上げ、大げさに肩をすくませた。