宇宙蛙物語
□クルル 「あなたは私の憧れです」 であります!
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「久しぶりだな、メテア」
ワルルがにっこりと笑って言うのを、メテアは緊張した様子で聞く。ここは円盤の中の書斎、ワルルの部屋だ。ワルルは書斎机に備えてある椅子に腰掛け、メテアは部屋の中央に直立不動で立っている。
「この広い宇宙を随分探したよ・・・」
ワルルは体重を背もたれに掛ける。
「なぜ・・・私がペコポンに来たと分かったのですか」
メテアの声はかすかに震えていた。ワルルは立ち上がりメテアに歩み寄ると、すぐ近くで止まる。
「ペコポンには・・・君の王子様がいるからね」
そう言って、ワルルは先ほどの笑みを消しさり、メテアを見下ろす。メテアはワルルの言葉に目を見開いた。その様子を見てワルルは深くため息をつく。
「まさか忘れているわけじゃないだろうな?」
そう言って、乱暴にメテアを抱き寄せ、唇を押し付けるようにしてかさねる。メテアは必死でもがくが、大の男の力に少女の力が敵うわけも無く、そのまま強行されてしまう。
しばらくして、これ以上はメテアの息が持たないと判断したのか、ワルルはメテアの口をふさいでいる自分の唇をはずした。
メテアは息も絶え絶えに、ずるずると床に座り込む。ワルルはメテアに視線を合わすため床にひざをついた。
「・・・お前は私のモノだ」
床にへたりみ、俯くメテアの耳元でそう囁き、ワルルは立ち上がって部屋を出た。ワルルが部屋を出てしばらくし、メテアの肩が小刻みに震えだす。メテアは目から大粒の涙をこぼした。