宇宙蛙物語
□クルル 「あなたは私の憧れです」 であります!
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今は夜中の2時5分前である。誰もが寝静まるこの時間、メテアの円盤が置いてあるクルルの地下倉庫で、暗闇の中、機械音が響く。
カチッ
その音と共に、暗闇はいとも簡単に消え、部屋全体が明るくなる。そこにいた人物は慌てて円盤の影に隠れた。
「やっぱり起きてたんですね」
電気をつけた張本人、メテアの声が部屋に響く。響いた声に少し怒気が入っているようだ。
「クルル曹長」
しばらくして、修理中の円盤の影から、クルルがひょっこり顔を出した。
「・・・ばれちまったか」
言葉とは裏腹に特に反省する様子のないクルルに、メテアはつかつかと歩み寄る。
「当然です!」
そう言って、クルルの手にしている道具を取り上げた。
地球に来て初めて見せるメテアの起こった表情に、クルルは少し圧倒される。
「いったい何考えてるんですか!こんなことしてたらホントに寝不足で死にますよ?昨日倒れたばかりだと言うのに・・・いったい何時間寝てるんです?!」
「・・・4時間」
「嘘ですね?」
メテアはきっぱりと言う。クルルは観念し、もう一度答えなおす。
「2時間」
その答えに、メテアは深くため息をついた。その表情は起こっているというより、あきれていると言ったほうが近いかもしれない。