宇宙蛙物語
□クルル 「あなたは私の憧れです」 であります!
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「クルル・・・・帰って来ないわね・・・」
すっかり夕飯の支度が出来た夏美がエプロンを外しながら言う。
外はとっくに真っ暗だ。
「いったいどこまで行っちゃったんだろ・・・ねぇ軍曹?」
冬樹はソファーの上で体育座りをしているケロロに話しをふる。
クルルが飛んで行ってしまった後、ケロロはもうこれ以上は無いってぐらいに激しく落ち込み、
家に帰ってからもそれは変わらなかった。
当然、ケロロからの返事はない。
冬樹が困ったように夏美を見ると、夏美は大きくため息をつき、ソファーに向かって大股で歩いて行く。
夏美はケロロの前で立ち止まると、腰に手をあてて仁王立ちした。
「もう。しっかりしなさい!あんた隊長なんでしょ?!」
少し強めに言うと、ケロロは半ベソをかきながら口を開いた。
「隊員の気持ちもさっせず、しかも踏みにじるなんて・・・我輩、隊長失格であります・・・」
どうやら自己嫌悪に陥っているらしい。夏美はしゃがんでケロロを見上げる。
「大丈夫!ちゃんと反省出来てるんだもの。クルルだって許してくれるわ」
ケロロは顔をあげ、夏美をじっと見つめる。まるでちいさな子供のようだ。
夏美はにっこりと微笑む。