長編小説

□第3話
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「ファリア?俺たちの合体技って?」
「見たところ三人とも中盤とディフェンスをバランスよく持っているけど攻撃に欠ける。オルフェウスは正式なFWが二人しかいない。だから俺やフィディオ、ラファエレが攻撃に加われないときのために、三人の攻撃パターンを増やせないかと思っただけさ。」

「なるほど!アルゼンチンが守備で防御ならこっちは攻撃あるのみだね!」
「アンジェロ、守備と防御は同じ意味だ。」
「あ…そっか」
「俺、ファリアに言われた時から考えてたんだけど、惑星をイメージするのはダメかな?」

自分から案を出さないマルコが合体技のイメージを言ってきた。


「その名も【ザ・ギャラクシー】銀河をまたにかけて流れていく星や隕石をイメージしたやつかな。いわゆる二人の名前を借りたようなものだ!」
「で、どうやってやるんだ?」
「それはこれから!とにかくやろう!」

マルコは言うなり一人で勝手に突っ走って行った。

アンジェロとジャンルカは、そんなマルコの後ろ姿を黙って見ていた。
あんなに楽しそうなマルコの姿は見たことがなかった。だから少し新鮮…


「ファリア、お前は何をするんだ?」
「俺は…」


技を磨くか、新しいドリブルを身につけるかディフェンスの強化をするか悩んでいた。
あんな事を言った自分が何をするか決めてないなんて副キャプテン失格だな。


「ねぇ、ファリアもイナズマジャパンのところに行ってきたら?」
「へ?」
「本当だよ、まだ話してないんだろ?いあ機会じゃん!」

「けど…!」

「俺たちなら心配するな!しっかりと練習してるからよ!けど夕方には帰ってこい!」
「えっ…。いいのか、本当に…?」
「いいよ!いつかはやろうって思ってたんでしょ?だったら早いうちに行かなきゃ後悔しちゃうよ?行こ、ジャンルカ!」


アンジェロはジャンルカの腕を引っ張ってマルコの所へ走った。
一人その場に残された俺は二人の言葉に甘えてイナズマジャパンエリアに行く事にした。

ユニフォームの上にジャージを着て、イタリアのグラウンドを出た。







バスに乗ってジャパンエリアにたどり着いたのでバス停で降りて宿舎へ向かった。

その途中、近くの建物に背中をつけて座り込んでいる薄紫の髪の、白い服に緑のハーフパンツをはいた少年がいた。

その少年の息はとても荒かった


「君、大丈夫…?」





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