短編小説
□素直
3ﾍﾟｰｼﾞ/3ﾍﾟｰｼﾞ
「お待たせー！」
「早いな…！」
どうにかこうにか作ることができた
でもはじめてだから自信ないなぁ…
「すごく美味そう…！」
「さ、どうぞ！」
「うん、いただきます！」
そういってｽﾌﾟｰﾝで粥を掬いそれを口に運ぶ半田。
「…！」
「えっ、まずかった…？」
「うぅん、すごく美味しいよ!!お前本当にはじめてなのか…？」
「は、はじめてだよ！何か悪いことあった…？」
「んなこと言ってないだろ？」
「……ん、ありがとう…。あのさ、半田…」
「ん、何だ？」
「…僕が風邪をひいたとき…その…」
お粥作ってなんて…恥ずかしくて言えないよ!!
「いいぞ」
「えっ？」
「お粥作って欲しいんだろ？」
な、なんで…？
僕何も言ってないよ…
「…うん、お粥…作ってね」
「あぁ、もちろんだ！」
「ありがとうｯ!!」
僕は嬉しさのあまり、半田に抱き着いた
半田はそんな僕の背中に手を回した
「素直になれよ、ﾏｯｸｽ…」
「半田こそ早く治してよね」
僕…素直じゃないなぁ
END