短編小説
□温もり
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俺は半田をこちら側へ抱き寄せ、マントで半田の身体を包んだ
こいつの身体は思ってた以上に冷えきっていた。
「お、おい鬼道…!」
「なんだ?」
「や、やめろよ…!!恥ずかしいだろ…」
「何だ、寒いんじゃないのか?」
「だ、大丈夫だよ!これくらい慣れたし、それに鬼道が寒くなるだろ!」
「俺がこうしたくてやってるんだ。少しくらい甘えたらどうだ?」
「なっ…!」
そう言った半田の顔は赤くなっていた。
嬉しかったみたいだな
素直じゃない奴だ
「…じゃあ、今だけ…今だけこうさせて…」
「あぁ」
半田は俺の腕にしっかりとしがみついた。
俺も半田をマントでしっかりと包み、抱きしめた
「あったかいな、鬼道は」
「お前もな、半田」
俺と半田の体温が触れ合って、この温もりをつくっているのだろう
ずっとこうやっていければいいのだがな…
いや、ずっとこうやっていたい
ずっと…
END