短編小説
□温もり
2ページ/3ページ
「何やってたんだ」
「うん…ちょっと考え事をしてたんだ」
「考え事…?」
俺と半田は川岸に隣り合わせに腰をかけた
悩んでいたみたいだから話を聞いてやることにした
「雷門にはどんどん強い奴が入ってきて、元いたメンバーがスタメン落ちして…
今日だって俺染岡にパスをしたとき届かなくて…
染岡にも弱いって言われたから…」
「それがどうしたんだ?」
「えっ…?」
「強さがお前のサッカーなのか?」
「そ、それは…」
「サッカーが楽しければそれでいいだろう
強さへのこだわりは自分を絶望へ追いやるだけだ」
「…そうだな、ありがとう鬼道」
「あぁ、どういたしまして」
「それにしても今日は冷えるな…」
「ずっとここにいるからだ。そろそろ帰れ」
「まだここに居たいんだ
鬼道こそ帰らなくていいのか?」
「俺はいい」
「なんだよそれ…!」
「お前がまだここにいるって言うからだ」
「えっ…」
⇒