短編小説

□温もり
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「何やってたんだ」
「うん…ちょっと考え事をしてたんだ」
「考え事…?」

俺と半田は川岸に隣り合わせに腰をかけた
悩んでいたみたいだから話を聞いてやることにした


「雷門にはどんどん強い奴が入ってきて、元いたメンバーがスタメン落ちして…
今日だって俺染岡にパスをしたとき届かなくて…
染岡にも弱いって言われたから…」
「それがどうしたんだ?」
「えっ…?」

「強さがお前のサッカーなのか?」

「そ、それは…」
「サッカーが楽しければそれでいいだろう
強さへのこだわりは自分を絶望へ追いやるだけだ」

「…そうだな、ありがとう鬼道」

「あぁ、どういたしまして」


「それにしても今日は冷えるな…」
「ずっとここにいるからだ。そろそろ帰れ」

「まだここに居たいんだ
鬼道こそ帰らなくていいのか?」

「俺はいい」

「なんだよそれ…!」


「お前がまだここにいるって言うからだ」


「えっ…」





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