長編小説

□第3話
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開会式の翌日、FFIのルール説明があった。
2つのグループに分かれて総当たり戦。

俺たちイタリアはグループA。
他にイギリス、アルゼンチン、アメリカ、日本がいる。
初戦の相手はアルゼンチン、グループAの中では最も守備の高いチームだ。
しかも初戦を通して無失点の一点も許さず勝ち進むほどの実力を持つ。


それに、エンパイアにはテレスがいる。
きっと手強い相手になるはずだ。


「みんな、初戦から厳しい戦いになるとは思うけど、俺たちの持てる力のすべてを出し切ってエンパイアに勝とう!」

「おーっ!!」

「じゃあ…ファリア、みんなを任せてもいい?」
「は?」
「ちょっと行きたいところがあるんだ」



フィディオはいきなり何を言い出すんだろ。
今さっき意気込みを入れたばかりなのに


「彼の…エンドウマモルのところに行くんだ。」
「円堂の?」
「昨日彼に会ってすごいものを見たんだ!俺は彼を確かめてみたい。」
「すごいもの?」

おそらくゴッドハンドのことだろう。
あれは伝説のゴールキーパーにしてかつての雷門の監督だった円堂大介さんが生み出した技なのだ。


海外の選手にも影響を与えるんだな。



「ま、いっか。行って来いよ」
「ありがとう!」

「とりあえず暗くなる前には帰って来いよ」
「分かってる、行ってきます!」


言って間もなくフィディオは宿舎を飛び出した。
まるで宿題が終わったら遊びに行ってもいいよと言われた子供のように


「行っちゃった」
「あんなに幼く見えるフィディオははじめて…」
「あいつは興奮すると童心にかえるんだ。楽しみすぎて我を忘れてしまう時があるよ」
「へ、へぇ…」
「昔と変わらないな、フィディオも」


オルフェウスのキャプテンになって昔と比べるととてもしっかりして、日常生活でもむかしみたいにひちすら喋ったりしなくなった

大人になったのかと思ったらやはりまだ幼かった


「じゃあみんな、練習始めよう!マルコ、ジャンルカ、アンジェロは合体技、他のディフェンスは守備の徹底、あとは個人に合った練習だ!」
「じゃあ今日は個人練習だね!」
「あぁ、一人一人鍛えることに意味があるからな。よし、やるぞっ!!」
「おーっ!!」




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