長編小説

□第1話
1ページ/6ページ




「ファリアー、いつまで寝てるの?」
「今日くらい寝かせてくれよ…出発は明日なんだし」

「何言ってんの?お客さんよ」

「は…?」


俺に客って誰だろう

起きて着替えて慌てて玄関まで行くと、誰もいなかった。



と思ったら、ドアのところに小さい金髪の子がいた


「アンジェロ!?」
「シンー!寝坊だよ寝坊!」
「ごめんって!んで、何か用?」

「へへっ、せっかくだから2人でいろいろまわってみない?」


アンジェロは俺の手を取りながら言った。

2人でって…?


「フィディオはいいのか?」
「もしかしてファリア知らないの?フィディオに彼女がいるの」


「うん、知らない」

フィディオに彼女なんて初耳だな。



ってフィディオに…彼女?


「えぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!?」

俺はこれまでにないくらい(試合のとき以上)の声で叫んだ。
それに反応して母さんが玄関まで出てきて俺の頭を思いっきり殴った

「朝からうるさいわよ!寝坊までしておいて!!」
「寝坊は関係ないだろ?!それよりも母さん、フィディオに彼女って…」
「はい?」

母さんも分からなかったらしい。
アンジェロが言ったことは本当なのか?



「それよりシン、早く行こうよ!」


アンジェロは俺の手を引っ張りそのまま外に連れ出した


「アンジェロ、他の奴は?」
「えっと…ラファエレがモデルの仕事で…」
「モデル!?」

あいつ本当にモデルだったんだな

「マルコとジャンルカは食べ歩き、あとのみんなは家で休むってさ!」

「そうなのか…」


俺も本当はゆっくり休みたかったけど、せっかくアンジェロが来てくれたから言うに言えなかった。


「まずさ、僕の家に来ない?渡したいものがあるんだ!」
「渡したいもの?」
「早く早く!」


「分かった分かったそうせかすなよ!」





次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ