短編小説
□何をしても…
1ページ/2ページ
「君がそんな奴だなんて思わなかったよ」
「…」
「まさか僕にこんなことするなんてね、中途半端の癖に」
暗い部室の中、僕と半田の二人きりの空間。
日にちは6月9日
時刻は夕方6時9分
外は明るい
けど窓に黒紙を貼ってて外から中の様子は見られない
鍵もかかってあるから中に人は入れない
僕はその中に手足を拘束された状態で閉じ込められている
しかもよりにもよって半田に…
「で、どうしてこんなことするわけ?僕に恨みでもあるの?」
「今日が何日か知ってるだろ?」
「6月9日でしょう?」
「わかってるじゃないか。」
「それがどうしたってのさ」
「つまりだ、今日はお前に何をしても許される日なんだ」
「は…?」
「俺は6、マックスは9、69で半松の日だから」
言ってる事がめちゃくちゃだよ。
そんな理由でこんなことするなんてやっぱり半田だね
僕の唇に指を当てた半田の目はまるで獲物(エサ)を捕った獣のようだった
「マックス…怯えてる。可愛いなぁ」
可愛い…この僕に向かって?
そう思った矢先、僕の唇に己のそれを重ねてきた
⇒