短編小説2
□マフラー
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「狩屋のマフラーって可愛いな」
「なっ、何を言うんですかいきなり!!」
「だって男なのにうさぎでしかも長いし
これを可愛い以外なんて言うんだよ」
部活の帰り、狩屋はいつも一人らしいから今日から俺が狩屋を家まで送ることにした。
とはいっても孤児院みたいなところらしいけど
「先輩はマフラーとかしないんですか?」
「あぁ、俺は防寒着とかなくても平気だから」
「羨ましいなぁ…」
「でもやっぱ、冬だから何かはつけた方がいいかな…手も冷えたし」
「……」
そこから会話が続かなくなった。
隣で狩屋が何かごそごそし始めた。
鞄から黒い手袋を取り出し、俺のいない側の手に片方の手袋をはめ、もう一つを俺に渡した
「ひとつ、貸してあげます…」
そういうと狩屋は手袋をしていない方の手で俺の手を握ってきた
この手袋は手を繋いでない方にはめろってことか
「ありがとう、狩屋」
「は、はい…」
照れてる狩屋を見ながら俺は手袋をはめた
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