青に溺れる

□午後5時
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今日も今日とて我が双子の兄とその友人たちは部活のためプールにいくのだろう。

・・・まぁそれは私も同じなのだけれど。





これは怜くんがバッタを泳げるようになる少しまえのお話。





「純さんは泳げるんですか?」

真琴からバックを教えてもらい少し休憩していた怜くんが急にわたしに話しかけてきた。

普段は一対一であまり話すことがないため少し緊張してしまう。

そしていきなりのことだったため答えられないでいると近くにいた渚くんが答えてくれた。


「純ちゃんは泳ぐのすっごく上手いよぉっ
僕よりもすっごく上手いっでも純ちゃん自体は泳ぐより浮いているっていう事のほうが好きだから競泳はやりたがらないの」

「浮いてるのがすきなんですか?」

頭にハテナマークを浮かべているのがわかる怜くん

「なんていうか…泳ぐよりただ水の中に入っておきたいだけなの」

「スイミングスクールにいたとき何度か潜ったまま顔をださないときがあってその時の皆の焦りようがおもしろかったよ!」

「純さんはずっと潜っておけるんですか
?」

「ずっとじゃないよ。ただみんなより息を止めていられるだけなの」

すごい特技ですね。

そういった怜くんはバックの練習を再開するためプールの中に入っていく。


その衝撃で水がプールサイドにいた私の足にちょっとだけかかった。



「(冷たい…)」


足から伝わる水の温度。これを体中で感じられるだなんてなんて最高なの。

お兄ちゃんは今も気持ちよさそうに泳いでる。

渚くんも練習を再開したみたいでプールの中で泳いでいる。

真琴と怜くんもプールの中。


ああ私もはいりたい。水を感じたい。



ジャージを脱いで水のあまり濡れていないプールサイドのところへなげる。







「!!!純!?」


真琴が私を止めようとしたけど無理だ。



半そでとジャージのズボンをはいたままだけれどプールに飛び込んだ。





そのまま泳いで25mを泳いだところまできたら足をつける。

顔を水から出すと太陽の光がじりじりときた。


あと髪の毛が顔や首にはりついて気持ち悪い。


でもやっぱり水の中は気持ちがいい。

次は泳がないで浮いてるだけにしよう。




そう決めて足をうかせようとしたとき、頭にポカッと衝撃が走った。


「…お兄ちゃん」

頭をおさえてふり返るとそこには双子の兄。


「純!服着たままプールに入ったらだめだろっ」

「何々?マコちゃん全裸で入ってほしいっていうのぉ?えっちだなぁ「渚!違う!!」








「お兄ちゃん?」


遙は私を叩いたままずっと止まっている。


遙の目の前で手を上下にふったりしているとようやく気がついたみたいで私の眼をみた。

「…お兄ちゃんどうしたの……っわあぁ!」


私にのびてきた腕は私の脇のほうにとおりぐっと持ち上げられる。


そのまま米俵を担ぐみたいに遙に担がれる。

真琴も渚くんも怜くんもその遙の行動に吃驚したみたいで遙を止めようとはしない。


「お兄ちゃんおろして!」

小さい子ならともかく同い年でしかも妹。しかも私は特別細いわけでもないから重いに決まっている。


でも遙はそのままプールからあがり私がさっき適当においたジャージを拾うと更衣室のほうに行った。







ガチャンッ

更衣室に入るなりドアの鍵を閉める遙。


ゆっくりと下ろしてくれたけれど目は私の目をみてはくれない。


「お兄ちゃん…?」
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