スタスカ

□どろり
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世間一般の女の子と同じように、星オタクの私だって今日くらいドキドキするんです!

綺麗にラッピングしたチョコレートを隠し、弓道場の前でふらふら。

東月くんは「想いがあるから大丈夫だ!」なんて言っていたけど。
(東月くんと作ったから味は大丈夫なはずだ。)


なんて考えていると、練習が終わったらしく、皆がでてくる。
適当にチョコレートを渡しながら、彼が近づく。



「マカダミアちゃん、はい、バレンタイン!」

『ありがとう、月子ちゃん!私も!』

「ありがとう!・・・宮地くん、そろそろ来るよ?渡すの?」

『う、うーん、』



正直渡す勇気がなく、曖昧に返した。



「ね、渡そう!宮地くーん!」

『わっ、月子ちゃん、待って・・・っ!』

「アーモンド、なんだ。」

『あ、や、その!月子ちゃん!』



隣を見ると、狙ったみたいにいなかった。

残ったのは、私と宮地くんとチョコレート。

他の人より少し量が多いとか、ハートのデコレーションが多いとか。
いかにも本命チョコレート。



「どうした?なにか用が、」

『あ、あ、えと、うん!』



吃ってしまって恥ずかしいけど、せっかくだもん渡さなくちゃね。



『あの、チョコレートどうぞ・・・っ』

「ああ、ありがとう!」



甘いもの好きな宮地くんのお口に、合うかわからないけど。
でも目の前の宮地くんはすごく笑っていて、私は嬉しい。



『あの、宮地くん、好きです。』

「・・・俺もだ。」



びっくりした。と同時に恥ずかしくなって、私の心が溶けていく気がした。

ギュッと抱きしめてくれる宮地くんの心臓もバクバクしていて、凄く恥ずかしいけど凄く嬉しい。



『好きです、付き合ってください。』

「俺でよければ。」



真っ赤な宮地くんと私は、笑いあって、キスをした。
甘くて溶けるかと思った。


どろり
(貴方に伝わった瞬間私は、)
(湯煎したチョコレートのように)

‐‐‐‐‐‐‐
宮地くんでバレンタイン!
 

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