夏目友人帳

□冬の日差し
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眠くなる午後の授業。
冬だから寒くて、厚手のブランケットを膝にかける。

「ふあぁ・・・。」


小さな欠伸をすると、先生の視線が突き刺さるのがわかったから、曖昧に目を逸らした。

ふと気がつき隣の席をみると、ちょっとミステリアスな夏目くんがスヤスヤと眠っていた。
そこにあたる、西日の暑さが、彼を唸らせる。

先生が見てたのは、もしかしたら彼なのかも知れない。
だとしたら大変だ。
こんなひ弱そう(失礼だ)な夏目くんが怒られるなんて。


「夏目くん、先生、見てるよ。」

「ん・・・」


少し身じろぐだけで起きない。
仕方ないからカーテンをそっとしめてみた。
すると、少し暗くなったのに気づいたのか、夏目くんの目がぱちり。


「先生、見てるよ?」

「悪い、アーモンド。」

「ぶ、ブランケット、かそ、うか?」

「アーモンドが寒くなるだろ?」

「べ、別に・・・。半分貸すから。」


自分の机をつけて、ブランケットを夏目くんの膝にかける。
近い距離に鼓動が速くなる。
なんで?ちょっと近いだけじゃない。


「アーモンド」

「な、なに!?」

「ありがとう」


そう言って笑った夏目くんの顔が、カーテンで遮ったはずの西日より眩しくて暑くて。



冬の日差し
(“どういたしまして“の声が少し上ずって)
(君が好きだと気がついてしまったのです)
 

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