慎×以ほのぼのシリーズ

□ポニーテールと蒲焼き
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あいつは、いつもそうだ。
いきなりで、突拍子も無く突然当り前な事のように発案してくる。

 「ねぇねぇ、以蔵君?このタレ…以蔵君に塗って良いかな?」




【 ポニーテールと蒲焼き @ 】




あいつら曰く、穢れを知らない純情少年に見えるらしい慎太…中岡慎太郎は、巷で人斬りと恐れられていたりする俺…岡田以蔵に向かって満面の笑みを浮かべ、小瓶を手に持ちにじり寄ってきていた。

 「…は?…意味分からん」
 
 「だから〜、この前…丑の日だったでしょ?丑の日って『ウの付く精の出る食べ物』を食すって言われてるからさ」
 
 「…だから、何だ?」

俺の部屋にも関わらず、部屋の主は壁際に追いやられ…訪問者である慎太が俺の前に立ち塞がって…いや、座り塞がっている。
なんか、ほんと…嫌な予感しかしないんだが…。

 「以蔵君に塗っていい?…蒲焼きの…タ・レ♪」

 「アホかぁ〜ッ!!!」

 「え〜?だって以蔵君て『ウの付く精の出る食べ物』でしょ?ほら、ここから出てくる精えk…」
 
 「慎太ぁ〜ッ!落ち着け!とりあえず、落ち着け!まず、その手を引っ込めろ!」

ほんと、こいつは油断も隙も無い。
気付けば、俺の足にサワサワと触れていて…危うく男の急所を撫で上げられるところだった…。
誰だ!慎太を純情少年なんて言った奴はッ!?
欠片も純情な行動や発言なんぞしてないぞ!むしろ、玄人過ぎるだろ!
 「…もう、以蔵君は素直じゃないなぁ〜。まぁ、そんなところも以蔵君の魅力のひとつなんだけどさ」
ガシッと俺の肩を掴み、そのまま覆い被さろうとしてきた慎太。
「ちょッ!慎太ッ!?」 
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