奇才の姫と幻の6人目

□第4Qまともじゃないかもしんないスね
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日向「おおー広ーー!やっぱ運動部に力入れてるトコは違うねー」

黄瀬が誠凛に挨拶に来てから数日後、練習試合のために海常に来ていた。

「火神君、いつもに増して目つきが悪いんですが…」

火神「るせー、ちょっとテンション上がりすぎて寝れなかっただけだ」

『……遠足前の小学生みたい』

黒子「…同感です」

黄瀬「どもっス!!今日は皆さんよろしくっス」

『涼ちゃん…!!』

黄瀬「広いんでお迎えにあがりました」

「体育館見えてるからいらないんですけど」

黄瀬「うっ…まぁ、そうなんスけど……」

『…麻里菜、せっかくだし案内してもらおう、ね?』

黄瀬「志乃っちーー!!!」

志乃に抱きつこうとした黄瀬を黒子が止めていた。

黒子「…近いです、黄瀬君」

『テツヤ!!』

黄瀬「ちぇ…でも、黒子っち達があんなアッサリフるから…
毎晩枕を濡らしてんスよ、もーー
女の子にもフラれたことないんスよー?」

黒子「…サラッとイヤミ言うのやめてもらいますか」

「志乃にはフラれてるでしょ?」

麻里菜の鋭いツッコミで黄瀬がさらに落ち込む…。

黄瀬「うぅ…麻里菜っち、高校に入ってから毒舌になったっスね……」

『……私、涼ちゃんフったっけ?』

日向(昨日のアレも気付かないのか……志乃ちゃんは天然なのか?)

黄瀬「……だから、黒子っちや志乃っちにあそこまで言わせるキミには…ちょっと興味あるんス
『キセキの世代』なんて呼び名に別にこだわりとかはないスけど…」

(呼び名か……)

黄瀬「あんだけハッキリケンカ売られちゃあね…
俺もそこまで人間できてないんで…
悪いけど本気でツブすっスよ」

火神「ったりめーだ!」

黄瀬「あ、ここっス」

黄瀬に案内されて体育館を見ると片面では練習をしていた。

リコ「…って、え?

………片面…でやるの?」

(もう片面は練習中ですか……)


日向「てかコッチ側のゴールは年季入ってんな…」

海常高校バスケ部監督ーーー武内源太(たけうちげんた)がやって来た。

監督「ああ来たか。今日はこっちだけでやってもらえるかな」

リコ「(…………)こちらこそよろしくお願いします。…で、あの…これは…?」

監督「見たままだよ。今日の試合、ウチは軽い調整のつもりだが…
出ない部員に見学させるには学ぶものがなさすぎてね。
無駄をなくすため、他の部員達には普段通り練習してもらってるよ。
だが調整とは言ってもウチのレギュラーのだ」

火神(ナメやがって……つまりは)

『つまり、[練習の片手間に相手してやる]ってことですか?』

火神が(というか、誠凛メンバーが)思ってたことを志乃が言ったのでみんな驚いていた。

監督「………まぁ、そうだが、頼んできたのはそっちだろう?せいぜいトリプルスコアなどにならないように頼むよ」

『………窮鼠猫を噛むって言葉を知っていますか?』

監督「は?当たり前だ」

『あまり調子にのってると痛い目見ますよ?』

監督「…………っ!!」

『…涼ちゃん、控え室はどこ?』

黄瀬「あ…こっちっス!!」

『……言っときますけど、誠凛(ウチ)は弱くないんで!“いい試合”すると思いますよ?』

監督「なんだと?」

(志乃ってば……まぁでも…)

リコ(調整とかはちょっとムリね。

そんなヨユー、すぐになくなると思うし)




「それではこれから誠凛高校対海常高校の練習試合を始めます!!」

審判「…や、あの…だから始めるんで…誠凛、早く5人整列して下さい」

黒子「あの…います5人」

「「「……おおぇ!!?」」」

笠松(うっわ…目の前にいて気づかなかったし……)

(ショボ…こりゃ10番(火神)だけだな、要注意は)

監督「話にならんな…大口たたくからもう少しまともな選手が出てくると思ったが」

黄瀬「……どうですかね、まあ確かに…まともじゃないかもしんないスね」


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