青のエクソシスト

□望んだ先の結末
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貴「あ゛ー………死にそう」

ア「死にそうじゃなくて死ぬんですよ」

貴「あはは……そう、だね…」


暗い暗い夜の森
体を紅に染めながら力なく少女は笑う


貴「いやー…エクソシストが低級悪魔に殺されるなんて…………恥の極みだね…」

ア「本当ですね。脆すぎますよ水樹」

貴「だよ、ねー……ほんとに、脆い上に無様だよ」

ア「………かっこ悪いです」

貴「うん、わかって……る………ゲホッ」

もう長くはないのだろう
少女の体から血が溢れ出す


貴「あー…ねぇ、アマイモン」


ア「なんですか?」

貴「最期はさ…アマイモンが殺してくれない?」


アマイモンはキョトンとした表情で首を傾げる

ア「どうしてですか?このまま放っておけば確実に死にますよ??」

貴「それも…そう、だけど……」

水樹は少し照れながら言った

貴「やっぱり…エクソシスト、が…低級悪魔に殺された……と、か…くやし……でしょ?」

ア「というかかっこ悪いです」

貴「そ…だね。でも……地の王なら…悔いはな、い………」


ア「……だから殺せって言うんですか?」


貴「…あと、も…1つ……」

どんどん声が小さくなっていく


貴「………す……………き…」


本当につらいのか最後の方はもう声になっていない





ア「本当に…殺していいんですね?」

水樹はゆっくりと頷く

ア「分かりました」


アマイモンは立ち上がり長く尖った爪を少女に向けた


ア「水樹」

水樹は視線だけをアマイモンへと向ける


ア「……好きでした」


アマイモンの爪が水樹の身体を貫通した




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