1.5W副長(第二部) 完結

□第9章 春の雪
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「や、なんでも・・・。その、このところ土方くんが忙しくって構ってくれなかった

から寂しかったなあ・・・みてえな?」

「・・・あほか。女じゃあるまいし・・・。つか寂しいといやあ、あいつらはどうし

たんだ?神楽と新八は。長期の休みを取らせたらしいが。」

呆れた顔をした土方に、そう返され銀時は一瞬言葉に詰まった。

「え?神楽と新八?・・・ええ〜っと、ああ。神楽んとこのハゲ親父の手伝いに行っ

ててさ。」

「ハゲ親父?・・・って星海坊主か。おい、そんな手伝い、神楽はともかく新八にさ

せて大丈夫なのかよ?!」

宇宙最強のエイリアンバスターの名前に土方が目を丸くする。

「え?・・・まあ、新八はやればできる子だから、何とかなるんじゃねえ?」

「てめえ・・・。」

土方はため息をついて、銀時を睨む。

「桂の手伝いさせてんじゃねえだろうな?!」

「まさか!そんなこと俺があいつらにさせるわきゃねえだろ!そんなことして、おめ

えにばれたらあいつらがこの町で生きていけなくなっちゃうでしょうが!」

わたわた銀時が手を振れば、疑わしそうな顔をしていた土方も、ふんと鼻を鳴らして、

銀時から眼を逸らした。

「挙動不審で疑われたくなかったら、あんま適当なことこいてんじゃねえよ・・・。」

「ええ・・・ああ・・・まあ・・・って、本当に星海坊主ンとこだから・・・!」

「ああ、はいはい。」

それ以上の追及を止めてくれた土方に心の中でごめんと手を合わせて、銀時は土方の

顔を見た。

土方はテレビ画面をつまらなそうな顔で見ている。

そろそろニュースも終わる時間だ。

そのとき、すっと土方の顔が真顔になった。

『ただ今入りましたニュースです。昨夜10時、過激攘夷派春雪党の党首、葛城春哉

が捕縛されました。春雪党は・・・、』

「どうした?」

銀時もテレビ画面を眺める。

(春雪党・・・?ちょっと前にテロで役人数人を射殺したやつらじゃなかったっけ。)

見廻り組が担当し、真選組は直接この事件には関わらなかった事件だった。




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