1.5W副長(第二部) 完結
□第6章 bitter chocolate その参
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(顔が強張ってたな。)
松平と共に城奥に向かう土方の背中が角を曲がって見えなくなる。
よほどの緊急事態でも、土方の顔にあれだけあからさまに動揺の色が見えることはな
い。
高杉に会っちまったし、天導衆なんてとんでもねえ奴らに呼び出されちまったし・・・
(ま、しょうがないわな。)
しかも、副長助勤の俺は、幕府のてっぺんに含むところがあるときてる。
さっきの土方の視線はおそらく俺に下手なことをするなと釘を刺したかったのだ。
(何もしねえよ。)
そういう約束したじゃねえか。
青畳の上にゴロリと転がろうとして、自分の握りしめた拳に気付く。
開いた手に刻まれた赤い爪痕を見て、銀時は後頭部をばりばりと掻いた。
(動揺してるのは俺も同じか・・・・。)
「ションベンでもしてくっか。」
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