1.5W副長(第二部) 完結

□第5章 bitter chocolate その弐
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はあ、と銀時があからさまに呆れたようなため息をついた。

土方の眉が困ったようにかすかに寄せられる。

「まだ、10日もあるじゃねえか。それまでには治るだろ。だいたい、あんたは丈夫

なのが取り柄なんだから、そんなに長いこと床に臥せってるわけねえだろうが。何弱

気になってんだ。」

「・・・・そうだよな。」

土方の言葉に近藤がほっとしたような顔をする。

「つーかさ、バレンタインデーのチョコなんぞ貰いに行くもんじゃねえだろうが。そ

ういうもんは、ほっといても好きだってならそいつが持ってきてくれるもんなんじゃ

ねえの?」

銀時が容赦ない言葉を浴びせる。とたん、近藤が情けない顔になった。

「だってさ・・・・、お妙さん恥ずかしがり屋さんだから、俺が行かないとチョコレ

ート渡せないし。それに、その日、『スマイル』は稼ぎ時なんだってさ。」

「ゴリラ、てめえ、キャバ嬢の稼ぎ時ってもんが何なんだかいい加減学習しろや。」

「万事屋。」

土方が銀時の言葉を遮った。

「近藤さん大丈夫だ。あんたの風邪は2,3日で治る。そうしたら、またお妙さんに

会いに行けばいいじゃねえか。ただし、相手は仕事中なんだから迷惑にならないよう

にな。この前のことであんたも懲りただろ?わかったら、もう寝ろ。早く良くなって

くれないと俺達も困る。」



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