1.5W副長(第二部) 完結
□第3章 ゴリラ in the cage
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ダンッ!
「畜生!!」
土方は見廻り組の詰め所を出たところで、壁に拳を打ち付けた。
結果から言うと、俺達は近藤を引き取ることはできなかったのだ。
近藤は悪質なストーカーだとして身柄の保釈を認められなかった。
「土方さん、残念ですよ。こんな形であなたたちライバルを失うことになってしまう
とは・・・。」
局長室から出てきた佐々木異三郎がその感情を感じさせない冷たい顔で土方にそう
嘯いた。
「だから、勘違いだと言ってるだろうが!」
土方の必死の抗弁も通じなかった。
「被害者と目される志村妙さんが勘違いだと言ってくださるならともかく、真選組副
長である身内のあなたがいくら勘違いだと主張されても説得力がありませんねえ。」
佐々木はもっともなことを口にし、俺達に帰宅を促した。
「ドシ〜、ドシ〜、ごべんなあ〜・・・!!」
近藤は土方の顔を見ると、涙と鼻水だらけの情けない顔で、びしょびしょになりなが
ら謝った。
「近藤さん・・・・!」
檻の中で、いつもより1.5倍くらいゴリラらしくなっている近藤を見ると、土方は涙
を浮かべて必ず迎えに来るからと固く約束していた。
その姿は美しい友情を表しているようだったけど・・・・、
結局は、冤罪でもなんでもないじゃん。
近藤はずっとマジでストーカーしてたんじゃん。
はっきり言ってもっと早く逮捕されててもおかしくなかったのを、なまじ妙が自分で
どうにかできちまってたから通報されてなかっただけで、
もう、これ、どうしようもねえんじゃねえの?
真選組、残念だけど、ここで局長逮捕と言う重大な不祥事で自然消滅ってことでいいんじゃね?
そんで、土方くんは銀さんのところに来て一緒に万事屋を営む・・・と。
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