1.5W副長(第二部) 完結

□第1章 ラプソディ イン 真選組
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ようやくヘロヘロになって屯所に戻り、部屋に倒れ込んだ時はもうすっかり夜だった。

「万事屋?!」

中で書類整理をしていた土方が驚いて声をあげた。

あ、土方は俺と公認の仲になってからも、普段は俺のことを万事屋と呼ぶ。

まあ、隊士たちの前で銀時と呼ぶのは、照れちゃうよね。

「どうした?!」

「ああ、まあ、どS王子にさ・・・。」

「また総悟か・・・・!」

土方が立ち上がる。

「や、もういいよ・・・。何言ったって、あの小僧には通じねえだろ。」

諦めたように俺がそう言うと土方が眉を下げた。

「すまねえ・・・。」

「本当ガキだった頃にもうちっとしっかり躾といてほしかったぜ。」

「う・・・ん。デカくなったら自然とわかってくるもんかと思ってたんだが・・・。

それに近藤さんが甘やかしてたからな・・・。」

「あ〜、ゴリラに躾は無理だろ。・・・・なあ、悪いと思ってんなら土方が慰めて。」

「近藤さんはゴリラじゃねえ。それに、なんだ・・・?慰めるって。」

「決まってんじゃん。」

土方に手を伸ばす。

「まだ8時だ・・・。」

土方が俺を睨む。

「まだ8時?もう、8時だろ。それに、俺のこと待っててくれてたんだろ?」

笑ってそう言えば、テキメンに土方の顔が赤くなった。

「別に待ってねえ・・・。」

そっぼを向く土方の顔を覗き込み、俺のことを睨んでくる土方の頬を片手で包む。

頬に触れた途端、

「本当に冷え切ってるじゃねえか。」

土方が驚いたような声を出して俺の手を握った。

「山ん中に置き去りにされたからな。」

「山かよ・・・。」

土方がため息をつく。

「でも、土方くんがあっためてくれるんなら、それも悪くねえ。」

俺の言葉に、「バカ。」と答えつつ土方の口元がかすかに綻んだ。

左手を項に回して右手で前髪をかき揚げると、土方が目を閉じる。

多い被さるようにして唇を塞いだ。

土方がそっと唇を開く。

舌を差し入れれば、土方の舌が柔らかく絡みついてくる。

味わうように舐め、欲を煽るように深く吸った。

土方の体から力が抜けていくのを感じながら、ゆっくり押し倒した。

土方の瞳が潤んでいる。

「土方・・・。」

隊服の襟元に指を差し入れスカーフを緩めた。



その時、

「トォーシィー!ちょっといいかぁ?」

ものすごくデリカシーを欠いた大声が部屋の中に鳴り響いた。



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