1.5W副長(第二部) 完結

□第27章 奪還 その玖
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繰り返される砲撃に、江戸城の大門はその大きな図体をよじり地鳴りをあげて倒れる。

城門近くに集まっていた野次馬たちが俺たちの背後で悲鳴をあげた。



舞い上がる土埃の向こうに城を守る護衛の男たちが姿を現した。

引きずり出されてきた巨大な重火器が俺達にその醜悪なツラを向ける。

「撃て!」


声とともに俺と土方は跳躍し、引き金を引く寸前に砲手の腕を撥ね飛ばした。

隊士たちは、大門の脇から滑り込むようにして城内に飛び込み、指示されていた通り次々と

派手な音を出して煙をまき散らすスモーク弾を投げ込んだ。

瞬時に辺りは混乱の坩堝と化す。

逃げ出そうとするもの、辺りかまわず剣を振るおうとするもの、罵声と悲鳴。阿鼻叫喚が空気

に満ち満ちる。



この恐慌状態に紛れて沖田やヅラたちは地下牢奥深くに突入しているはず。

(何とか無事に終わってくれ。)

隊士たちはみなうまい具合に相手の中に紛れ込んでいる。

近藤無事確保の連絡さえ入れば全員で撤収できる。

(このままもうちっとここで踏ん張れれば・・・!)



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