1.5W副長(第二部) 完結
□第26章 奪還 その捌
1ページ/5ページ
作戦遂行のために攘夷浪士たちと合流した俺達を出迎えたのは、強烈な憎悪の視線だっ
た。
虫の羽音にも似た無数のざわめきに耳をすませば、聞こえるのは嘲りと蔑みの言葉のみ。
浪士のひとりが土方に唾を吐きかけ、「卑怯者!」と罵る。
真選組隊士たちは一斉に色めき立ち、
「てめえ!」怒気も露わに男の喉元を掴んだ俺だったけど、「やめとけ。」土方に制止され、
不承不承手を放す。
集まった浪士達の中には俺達も良く知る連中もいて、(っつうか、火炎党まで呼ぶってヅラの
野郎も何考えてンノ!?)、本当にこいつらと協力して作戦の遂行なんかできるのかよと思っ
たりもしたんだけど、実際に作戦が開始されれば、驚くほど順調に事は進んだ。
いったい、ヅラは何つって連中を説得したんだか。
・