1.5W副長(第二部) 完結

□第21章 奪還 その参
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「何で・・・? てめえ、何でこっちの事情を知ってやがる!?」

土方は冷めやらぬ驚愕の色を必死に抑えると、空間に映し出された高杉を睨んだ。

高杉が自身を投影している携帯電話に視線を向ける。

「ずっと、聞いてたからな。」

端的な返答にぐっと詰まった土方の耳に銀時の小さな呻き声が届いた。

土方は小さく息を吸った。

「知っていたとして、どうしててめえが俺たちに力を貸すって話になるんだ?」

「そりゃ、俺がてめーに惚れてるからだろーが。」

高杉がゆったりとした動作で頬杖をつく。

沖田をはじめとする隊士たちが息をのんだ。

隣に立つ銀時が固く体を硬直させる気配が感じられた。

「てきとーなことこいてんじゃ・・・!」

土方が何とか絞り出した声は、高杉の言葉に遮られる。

「11番隊のときも助けてやっただろ?」

思わず言葉に詰まった。

「土方、もしてめえが俺のモンになれば、俺が近藤を救い出してやる。てめえが望む

んだったら、てめえの周りにいるそいつらのことも鬼兵隊に引き取ってやってもいい。

もちろん銀時もだ。どうだ? 悪くねー取引だと思わねえか?」

土方の瞳が揺れる。

「真選組も今じゃ反幕府の立場取ってんだろ?悪いよーにはしねえよ?」

高杉の言葉が蜜のように甘く土方の心を蕩かす。



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